パビリオンを出展して参加することを公式表明していたメキシコが、撤退の意向を関係者に伝えたという。メキシコは自前で設計・建設する「タイプA」を出展する予定だったが、来年6月に大統領選挙が計画されており、再来年開催の万博への出展に必要な予算措置が不透明な状況になっているためという。
万博協会が始めた「見切り発車」
ちなみにパビリオンには、各国が費用を負担して独自に建てる「タイプA」、万博協会が建てた施設を引き渡す「タイプB」、建物の一部区画を貸す「タイプC」、万博協会がプレハブ工法で箱形の建物を建てて引き渡す「タイプX」の4種類ある。
その上で、朝日新聞の記事には恐ろしいことが書いてあった。
《万博協会は、「タイプX」を見越した「見切り発車」を始めた。首相周辺は約20カ国分を仮発注したことを明かし、「もし使われなかったら休憩所とかに使う」と話した。費用は日本が立て替えるが、使われなければ日本の負担になる。》(11月11日)
み、見切り発車ってギャンブルじゃないか。万博はもうカジノなのか!?
杜撰さと強引さが「博覧会」状態
さらに産経新聞は12日のオピニオン欄で『万博建設費 さらなる増額は』と特集を組んだ。吉村知事の『コスト管理徹底 3度目なし』という意見を載せる一方、『自助どこへ 維新この程度か』という岡田克也立憲民主党幹事長の言葉も載せていた。岡田氏曰く混乱の要因は万博協会にあるが、国や大阪府・市、経済界が協会側に丸投げしているようにも見えると。そして、
《万博には多くの税金が投じられており、コストに見合っているのかの検証が必要だ。維新が掲げる「身を切る改革」はこの程度なのかと思ってしまう。》
こうしてみると他人の身を切ることには厳しい維新だが、万博を通すと杜撰さと強引さが「博覧会」状態になるのである。
国や大阪府・市はこれから万博をなんとか開催に導いて結果オーライを目指すだろう。しかし今の時点で「博覧」されているこの過程こそよく見ておくことが重要ではないか? いろんなものが可視化されているからだ。万博はやはり面白い。