小学校と同様、中学でも保護者や学校と積極的に関与
――現在の麻布中学ではどのような関わりをされていますか。
赤平 PTAをやっています。まずは麻布の学校や保護者の中に入ろうと。私は入学前からたくさんメディアに出ていて、学校や保護者からは、良くも悪くも様々な印象を持たれていると思ったので、私と息子がどんな人間かを知ってもらいたくて。その上で、どんどん発達障害の理解者を増やしていきたいと思ったんです。
保護者とも学校とも積極的に関与して発達障害を理解してもらうことで、子どもがいじめられる環境を減らしていく。小学校のときとやっていることは同じで、環境調整ですね。
――お子さんは麻布中学に通いだしていかがですか。
赤平 楽しいと言っています。麻布は個性豊かな生徒さんが多いんですけど、先生もいい意味で放任主義で、のびのびやれる環境がありますね。のびのびすぎて、教室の床におにぎりとかふりかけとか落ちてることもあるくらい(笑)。ただ、生徒自身も自由であるがゆえに、自分たちで学校を運営するという誇りと責任を持っていると感じます。
特性のある子供が今後乗り越えていくべきものは…
――友人関係も広がっていく時期です。
赤平 彼は、話す相手はみんな友だちだと思っていますが、小学校では経験できなかった深い友人ができればと願っています。
男子校に行ってしまったこともあり、異性との交わりはさらにむずかしいですね。本当は早い段階から女性と交流してほしいですけど、麻布の生徒って、塾で桜蔭とかの女子校の子と仲良くなるらしいんです。うち、塾に行けないので、そこもやばいなと思って(笑)。でも、正直、まだまだそこまで僕自身も意識が至ってないです。息子が今を生きられればOK、というところです。
――今後、特性のあるお子さんとの生活で乗り越えていくべきものを改めてお聞かせください。
赤平 まず、生きていくこと。そして、鬱や他害といった二次障害を起こさないことです。
そのために僕は彼が生きやすい社会を作っていきたいので、「インクルボックス」の活動や、講演、インタビューなどで社会にアナウンスメントをし続けたいと思っています。同時に、お父さんはあなたの一番の理解者で、あなたの一番の味方だということを、本人に伝え続けたいと思っています。
撮影=山元茂樹/文藝春秋
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