日本はスパイ天国だった⁉ 人気テレビドラマ『VIVANT』の公安監修者・元公安警察官の勝丸円覚の新著『諜・無法地帯 暗躍するスパイたち』より一部抜粋。有名女優似の中国人美女スパイが“ハニートラップ”を仕掛け、重要情報を絡めとる驚きの手口を紹介する。(全2回の前編/続きを読む)

日本の有名女優似の留学生がハニートラップを仕掛ける

 ハニートラップでは中国人女性スパイと懇ろになったりすると、その様子を動画に撮られたり、メッセージのやりとりなどをネタにして脅される。もしくは、その関係のままで、情報をどんどん吸い取られていくようになる。会社員や企業幹部なら、かなり機密度の高い情報も求められるようになるだろう。気がついた時には、もはや断れなくなっている。

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 私個人としては、ハニートラップについてもともと半信半疑だった。ところが、外事警察時代に実際に起きているのを知って、考えを改めた。日本には、中国人留学生が数多くいて、中国大使館の教育処でリスト化されている。そしてその中から、ハニートラップに向きそうな素人の女性を中国大使館がスカウトしていると見られている。中国スパイは、「大使館のメッセンジャーとして協力してほしい」と、もっともらしい口説き文句で協力を持ち掛けている。しかも、先に触れた通り、協力の見返りに「中国に残してきたあなたの両親の年金額を増額しますよ」などと提案する。