また、実家の親やきょうだいとも不仲で疎遠という特徴もあります。
つまり、彼らは結婚するまでの人生で、誰とも良好な人間関係を築けたことがない人なのです。そのため他者とのコミュニケーションが不得手です。
このような人が結婚すると家庭生活はどうなるのでしょうか。
彼らはプライドが高いため、日常生活では「頭が良く、いつも正しい自分と、頭が悪くていつも間違っている妻」という自分の頭の中のイメージに基づいて、何かと妻を指導しようとします。しかしコミュニケーションが不得手であるため、怒る以外の言い方ができず、言葉を簡潔にまとめることもできません。
おそらく自分では、「知的な自分が妻を指導している」という理想像があるのでしょう。しかし実際は、言葉がうまく出てこなくて、金切り声で延々と「お前は頭が悪い」「どういう教育を受けてきたのか」と相手を責め続けるだけの短絡的な怒り方になっているのです。
そもそも怒ることにも慣れていないので、怒り出すと「常識を疑いますね」「親の顔を見てみたいものです」などと敬語になるのもよくあるパターンです。
こうして家庭内の雰囲気は険悪になりますが、それでも夫は休日も必ず家にいます。友達がいないからです。飲み会に行くなど、家庭の外でストレスを発散する手段がないため、仕事以外の時間は常に妻と顔を突き合わせて、怒り続けることになるのです。
弁護士に依頼しない人が多い
こうして、妻ともしっかりした人間関係を築くことができないまま夫婦関係は悪化していき、最終的には離婚に至ってしまいますが、「内弁慶モラハラ夫」は、離婚するまでも特徴的な経緯をたどります。
まず、こういった夫はほとんど弁護士に依頼しません。プライドが高く、自分の頭の良さに自信があるため、弁護士という専門家を信用しないのです。「弁護士はぼったくりだ」「弁護士なんて頼まなくても自分でできる」と信じ込み、自分で妻の弁護士に会いに行ったり、電話をしたりします。