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 事務員さんたちは、「なんか食べないと」って食べ物を買ってきてくれたり、いろいろ状況を見てきてくれたり、私が裸足状態だったからサンダルを貸してくれたり。ほんと、お世話になりました。

ーーパートナーの方、規制線が張られているから迎えに行くのは大変だったのではないかと。

あだん堂 電話で話してから、すぐに向かってきてくれてはいたんですよ。でも、事故で京急には乗れなくなっていたので、タクシーで向かったそうなんですけど、「規制線で入れない」って電話が。それで、事務員の方が迎えに行ってくれて、14時くらいに連れてきてくれたんですよ。

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 到着したものの「よお」って感じで。「もうちょっと感動的というか、ドラマチックな対応があるでしょ」って。ハグして一緒に泣いて、みたいな。でも、いつも通りの彼だったこともあって安心したのか、涙も引っ込みましたね。

 で、事務員さんたちにお礼を言って外に出て。後日、改めてパートナーとお礼に伺いました。

駅の近くにあった養護学校でバイタルチェック

ーーそのまま帰宅するわけにもいかないですよね。

あだん堂 どっかにいっちゃった荷物があるから、「遺失物届けを出さないと」って話になって。警察官に聞いたら、神奈川新町駅のそばに設置された対策本部に行ってくれと案内してくれて。

事故当時持っていたスマートフォン 

ーー神奈川新町駅の踏切で事故が起きたから、改めて現場を見ることに?

あだん堂 見ないようにしてたけど、見えちゃうんですよね。警察官の方もいろいろと察したのか、「ゆっくりでいいんで、気分が悪くなったら教えてください」と言ってくれました。

 現場付近は、駅員、救急隊員、警察官、医療従事のジャケットを着た方、どういう所属かわからないけど作業着を着た方が、救助活動をされてるのも見えました。

 受付に着いたら医師の方に「事故被害者ですか?」と聞かれて、「1両目に乗ってました」と答えたら「1両目!? 歩いてきたの?」って驚かれて。駅の近くにあった養護学校の1階ホールが開放されていて、そこでバイタルを。彼と会ったあたりからものすごくお腹が痛くなってたんですよ。だから、診てもらえると聞いてちょっとホッとしましたね。

 

マスコミのカメラがすごくてみんなうんざり

ーー状況が状況だけに、トリアージが行われていたりは。

あだん堂 していました。実際、バイタルを取ってもらってる間に、手首にトリアージのタグが付けられましたし。緊急度は一番低くて安心したけど、エコーしながら胸のあたりを押されたら激痛が走って「胸骨が折れてる可能性があるから、緊急搬送だね」となって。

 だけど、救急隊員の方たちが、マスコミのカメラがすごくて救急車まで運べないと、医師と相談しはじめたんですよ。みなさん、カメラにうんざりしてるようで。カメラに撮られて、患者や被害者の個人情報が筒抜けになってしまうってことで、その対策もしなくてはいけないそうなんですね。