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 そうなると体重を前にかけて、無理にカーボンプレートを曲げようとするため、股関節周りの負荷が高まり、前述したようなケガにつながってしまうのだ。

「諸刃の剣」「あの靴に頼り切ってしまっているところがある」

(写真はイメージ)©AFLO

 2021年秋の取材でA監督は、「あの靴に頼り切ってしまっているところがあるので、多くの選手がポイント練習で厚底カーボンシューズを使いたがるんですよ。練習の質を上げているので、あのシューズでないとついていけないという状況にもなっています。それが故障者続出の理由じゃないでしょうか」と分析していた。

 またB監督も“魔法のシューズ〞を「諸刃の剣」と表現している。

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「厚底カーボンシューズが出てきてタイムはものすごく伸びましたし、選手も自信をつけています。ただ、あのシューズを頻繁に履いていると、股関節周りや仙腸関節周りのケガ(疲労骨折など)が増えるように感じています。そのため厚底カーボンシューズの使用方法を考えるようになりました」