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「息子が弱い子だから亡くなったとは言われたくない」
調査報告書では、サトルさんの自殺と担任Zの指導の因果関係について、「自死に影響を与えた可能性は否定できない」としている。
その上で、(1)大声などで生徒に恐怖感情を与え、教師の意に沿う行動をさせる指導、(2)宿題を自宅にとりに帰らせる指導など、複数の項目について「改善すべき」としている。
「大人でも、長い休み明けに学校や会社へ行きたくないというのは普通だし、人間だから忘れ物だってあると思います。それなのに担任Zの怒り方、キツイ言葉が息子の心を傷つけ、死を選ばせてしまったことをわかってほしい。後でわかったことですが、夏休み明けの職員会議では、生徒の自殺を防ぐために課題提出の指導は丁寧にと言われていたようです。職員室で個別指導を受けて肩を震わせ泣いているサトルを、担任Zはそのまま帰宅させたんです。報告書でも、担任Zの個別指導が引き金と結論づけられました。普通の人は、引き金を引かないと思うのです」(アカネさん)
夏休み明けは自殺が急増することが知られており、サトルさんが自殺した2年前には文部科学省がわざわざ通知を出して周知している。
「夏休みの宿題を提出しなかったのはもちろん悪いけれど、息子が弱い子だから亡くなったとは言われたくないです。息子の名誉を守りたい。不適切な指導でなければ、息子が亡くなることはなかったと思う」(アカネさん)
14日の提訴に対して、学校側の真摯な対応を望みたい。