そして衝撃的な「いわもとQ」の全店閉店。出色の旨いそばを提供していた小伝馬町「田そば」の閉店時はインバウンドも並んだという。そして12月末には新丸子の古参店「山七」がひっそりと幕を下ろした。お疲れさまでした。
2023年に閉店が増えた原因は、コロナに関連する補助金などの終了という側面もあるのだろう。2024年は多少の落ち着きはあるだろうが、閉店は続いていくと思われる。
予想3:別外食・別業種からの参入は続く
ドトールコーヒーなどを展開する外食大手の「日本レストランシステム株式会社」が新業態のそば屋「蕎麦いまゐ」を創業したのは平成29年。四谷三丁目、南青山、自由が丘など駅以外の高級一等地に出店し、カジュアルスタイルなそば屋として人気になっている。2023年12月12日には赤坂見附にオープンした。
また、すかいらーくグループのそばと丼を中心とした「八郎そば」が埼玉県白岡市に2023年1月18日にオープンして話題となった。こうした別外食からの参入は今後も続くと思われる。一方、迎え撃つ立ち食い大手チェーン店の「ゆで太郎」は最近、「もつ煮込み定食」などを販売する「もつ次郎」と共同出店、25都道府県に200店舗以上を展開。福岡県や愛媛県にも出店しさらに拡大を続けている。
一之江「あかまつ」は異業種からの参入
一之江に2023年4月にオープンした「あかまつ」は建築業を営む会社が新規参入した立ち食いそば屋である。立ち食いそば空白地帯なので店は繁盛しているという。そばうどんにミニ天丼かミニカレーが付いた「あかまつセット」は相変わらず人気だとか。
異色なところでは、板橋区役所前に2023年4月にオープンした「蕎麦食堂いけち」。こちらは「名代富士そば」で店長をしていた兄妹が独立して開業した店である。ここの特徴はなんといっても天ぷらが秀逸だ。注文後揚げるスタイルでサクサクカリカリの揚げ具合。そして、麺はそばうどんだけでなく中華麺にも変更できる。食堂をめざしたということで、「MAX定食」(牛皿、カレールー、唐揚げ、目玉焼き丼、そばなど)なども発売している。
閉店する店がある一方、こうした別外食や別業種から新規参入する店もある。大切に育っていってほしいと思う。