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立ち食いそばの値段上昇、「500円の壁」は死守できるか…2024年の「立ち食い・大衆そば業界」を予想する

立ち食いそばの値段上昇、「500円の壁」は死守できるか…2024年の「立ち食い・大衆そば業界」を予想する

2024/01/02

genre : ライフ, グルメ,

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予想4:今年は関西のつゆ、関西の立ち食いそばのブームが到来する?

 東京近郊ではちょっとした立ち食いそばブームになっているようだ。BS日テレでは「ふらっと立ち食いそば」が人気だ。YouTubeには立ち食いそばのチャンネルがたくさんある。人気のチャンネル「黙飯」でも立ち食いそばをかなり取り上げている。

 そんな東京で人気の立ち食いそばだが、最近特に注目しているのは「つゆの色」である。人気の大手チェーンの「小諸そば」、「しぶそば」、「えきめんや」あたりはつゆの色が薄いのだ。漆黒のつゆとは全く違う。その理由として、万人受けする味を模索してこの「薄い色のつゆ」になったのだと思う。出汁の味がジンワリと伝わり味がわかりやすい。

 生麺使用の店はこうした「薄い色のつゆ」を提供するところが多い。つまり、これは関西のつゆに近いということになる。関西の立ち食いそば屋が再認識されてもおかしくない。しかも値段は相変わらず安いのだ。大阪難波の「うどんそば天政」、「南海そば」などなどうまいうどん・そば屋はたくさんある。

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 将来的には姫路の「えきそば」が東京に出店する可能性もあると思うし、新大阪「浪花そば」を経営する株式会社ZIPANGUが秋葉原に「肉そばとおにぎり 一のや」をすでに出店している。

「本格的な関西つゆ」に「東京の生そば」という組み合わせがいつブレイクしてもおかしくない。すでに下地はできている。

東京秋葉原に進出してきた「肉そばとおにぎり 一のや」

予想5:牛肉を使った関西風の「牛肉そば」が流行る

 関西立ち食いそばがブームになれば、その結果、「肉そば」も牛肉を使う店がもっと増えてくることが予想される。すでに牛込柳町の「白河そば」、新宿駅の「箱根そば本陣」でも牛肉を使ったそばを販売しているし、神田小川町の「豊はる」では「牛ばらそば」や「てっちゃんそば」を発売開始している。個人的感想だがこの2つのメニューは従来のそばの概念を超えた味だと思う。相当うまい。「パイカそば」を含めて必ず大ヒットすると予想する。「牛肉そば」が静かに増加していくことも予想しておこう。

「豊はる」の「牛ばらそば」
「豊はる」の「てっちゃんそば」
牛もつがゴロゴロ、しかも柔らかくうまい

 読者の皆様も今年はどんな素敵な大衆そばに出会うだろうか。はやくコロナも紛争も終わって欲しいものである。