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 3日目はさすがに「明日、『来れない』かな?」とタモリが振ると、紹介された“お友達”が「来れません……」と返答。ようやく一般人リレーが途切れることになった。

 今や都市伝説のように扱われるこのエピソードも、『27時間テレビ』内のコーナー「その道のプロ高校全校集会」で、『いいとも』の貴重映像のひとつとして紹介された。

生番組って面白いなぁー!

 同コーナーではまた、よく知られる「素人乱入事件」(1983年12月1日)も取り上げられた。

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「テレフォンショッキング」でタモリがゲストを呼び込もうとした時に、何者かがタモリに近付いてきたのだ。

 当初タモリは「音声(スタッフ)の人がマイクを直しに来たのかな?」と思ったのだという。

 しかし男の動きは不審で、「しゃべらせてくれ!」と隣りに座ったところで、タモリはその異常事態をはっきりと認識する。それでもタモリは冷静に「しゃべりたいことがあるの?」「何しゃべるの?」と問いかけた。

 スタッフがあわてて男を取り押さえる姿を横目に、微笑むタモリ。スタジオが騒然とする中、タモリは笑顔を隠しきれず「珍しい事故もあるもんだ」「生番組って面白いなぁー!」と嬉しそうに言い放った。

 コーナー司会を務めるピースの綾部に「焦りましたか?」と当時の心境を聞かれたタモリは、「いや、焦ったっていうより、面白いよね」と答えた。

「SWITCH」(2009年7月号)の笑福亭鶴瓶特集に寄せた文章の中で、タモリは生放送としての『いいとも』についてこう述べている。

「生放送の新鮮さを本能的に意識している」「予定調和だけだったら、生でやってる意味はない。テレビというのはいろんな考え方が成立する奥深さがある」

 予定調和になりそうなところを瞬時のアドリブで崩していく。その瞬間に生まれるものを観客や視聴者と一緒に味わえるのが、生放送の醍醐味だろう。

 ちなみに素人が乱入したその日のゲストは佳山明生。初対面の佳山がタモリにお土産を渡そうとした時、タモリは笑ってこう言ったという。

「あなたホントにそう(佳山さん)でしょうね?」