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41年ぶりの皇族男子、悠仁さま

 一方で、41年ぶりの皇族男子として誕生した悠仁親王は、小さなころからその様子がメディアで取りあげられた。それは、現在の皇室典範では、将来の天皇であることを約束された男子だったからこそ、大きく注目されたのだと思われる。その後、お茶の水女子大学附属小学校へ入学するが、現行の皇室典範下において皇族が学習院初等科以外の小学校へ入学するのは初めてであった。これも、象徴天皇制が変化したことを示す出来事として、好意的に取りあげられた。

2006年11月、お宮参りにあたる「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」のため、皇居を訪れられた秋篠宮ご夫妻と悠仁さま 宮内庁提供

愛子さまの人物像にも注目が

 こうした状況に大きな変化が訪れる。2016年8月の平成の天皇による退位の意思をにじませた「おことば」の発表がきっかけであった。新天皇の即位が近づくなかで、皇太子・皇太子妃の思考や行動にメディアの注目が集まっていく。

ご成年にあたり記者会見をされる愛子さま(代表撮影) ©時事通信社

 そして、その長女である愛子内親王も、人物像などがクローズアップされるようになった。学業成績は常にトップクラスであることはたびたび記事になっている。また、2017年3月に学習院女子中等科を卒業した際に発表された作文「世界の平和を願って」は大きな反響を呼んだ。広島の原爆ドームを訪れた時の体験をもとに、「『平和』は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものだから」と書かれたこの作文からは、慰霊の旅を続ける「平成流」のあり方が愛子内親王に伝わり、内面化されたことを示した。

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 また、令和となり、天皇と皇后の存在がよりメディアで取りあげられるなかで、家族3人の姿も注目されるようになった。たとえば、2023年5月には即位5年・結婚30年を記念した特別展を両親と見学、愛子内親王が天皇にプロポーズの言葉の再現を促す場面もあり、天皇は苦笑いしていたとまで報道された。静養先などでも、愛子内親王の声がテレビカメラを通じて、伝えられるようになった。両親と一緒の場面でのこうしたほほえましいやりとりから、20代の内親王の等身大の姿が人々に広がっていった。

 さらに2022年3月17日には、成年の記者会見を行い、その場でも一人で記者を相手にユーモアある回答を展開。その姿も高く評価された。