岡山県の南部に位置する児島湾の畔には“珍百景”にも認定されそうな珍しいスポットがある。漁師さんの道具である巨大な網がビルトインされた小屋がおおよそ2キロに渡りいくつも佇んでいるのだ。
小屋よりも大きい網に自身の遠近感を疑ってしまうが、さらに驚くのが、この漁業施設に見える小屋は、実は好きなだけ漁が楽しめる一棟貸しの宿ということ。泊まれば一体どんな体験ができるのか。今回は岡山が誇るレジャースポット「四つ手小屋」を1人で借り切ってオールナイトで遊び尽くしてみたもようを紹介する。
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手軽に第一産業を体験できる四つ手小屋
四つ手小屋は児島湾の伝統漁法で元々は漁師さんの稼業であったが、誰でも楽しめるようにレジャー化され現在に至る。
夕方から翌朝まで、小屋に設置された四つ手網で魚介類を獲りながら獲物を即座に調理することができるのだ。小屋にはキッチンやガスコンロ、冷蔵庫、調理器具に加えてテーブルやエアコン、ソファー、トイレまで快適に過ごせる設備が整っている。
自前で食材を持ち込み、BBQをしたりお酒を飲みながら気ままに漁を楽しむのがベターだが、私は四つ手小屋に来たからには目の前に広がる天然の生簀から食材を確保したい……! サバイバルを楽しむつもりでお酒と最低限の食材だけを持って小屋へと向かった。