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シメは岡山県の郷土料理を…!

 最後は個人的に定番メニュー化している岡山のソウルフード「ばら寿司」。具材は家庭によって様々だが、今回は獲れたシバエビとママカリを使用した。

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 シバエビを茹でてむき身と殻付きに分ける。ママカリはあらかじめ三枚に下ろしたら、すしのこをまぶして簡易的な酢漬けにしておく。錦糸卵は天ぷら液に使った生卵の残りを使用。それぞれの具材を盛り付けて完成!

具材たっぷりのばら寿司

 江戸時代に奨励されていた「一汁一菜」の倹約令の法の穴を突くように生まれたばら寿司。おかずの品数を増やせない代わりに酢飯に具材を混ぜ込んだことが始まりとされる。今夜は遠慮なく児島湾の海の幸とお野菜を贅沢に盛り付けていただこう。

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カニの味噌汁も出汁が効いて美味い

 ママカリは身がきゅっと引き締まり、噛むと旨味が溢れてくる。椎茸のうま煮はもうそれだけで白米をかきこめるほどの味わいだ。そしてさっぱりした酢飯が胃に優しい。ばら寿司は具の種類が多いほど、どこに手を付けても味に変化があり、食べていて楽しい。スーパーに売っているなら、アナゴの煮付けやコノシロの酢漬けを加えるのもおすすめだ。

多くの小屋が廃業に追い込まれていた

 一時期は児島湾の岬だけで70棟も軒を連ねた四つ手小屋だが、2004年の台風で多くの小屋が倒壊し廃業に追い込まれた。海中に残された多くの小屋の基礎が当時の惨状を物語っている。それでも百間川の防潮堤防から吉井川河口にかけて、現在もなお十数棟ほどが伝統を絶やさずに営んでいる。

営業中の四つ手小屋は九蟠漁業協同組合ホームページで確認できる

 大物に期待しながら夜を明かす、岡山が誇る一風変わったマリンレジャー。興味があれば是非足を運んでいただきたい。