師走の慌ただしさを切り抜け、ようやく迎えた年末年始の大型連休。たまの正月くらい、帰省先などでのんびりしたいものだが、避けて通れないのが交通機関の大混雑である。

 とくに高速道路における先の見えない渋滞は、車内のムードを悪化させ、ドライブの道中をしばしば憂うつなものにする。ところがやはり、新型コロナウイルス感染症の5類移行後はじめて迎える今年度の年末年始は、各地で大規模な渋滞が予想されている。

 数少ないリフレッシュの機会を、渋滞のストレスなく過ごせる方法はないものだろうか。今シーズンの渋滞予測情報をふまえ、有効な対策を考えてみたい。

ADVERTISEMENT

帰省ピークには各地で30km~40km規模の渋滞が

 年末年始の高速道路における混雑情報に関しては、NEXCO各社が予測を発表しており、発生ポイントや時間帯、渋滞長について取りまとめている。ドライバーとしてはまず「渋滞予報ガイド」や「渋滞予報カレンダー」などを参照しながら、自身の走行ルートのどこで、いつ渋滞が起きるのかを把握し、ピークを避けられるようドライブプランを立てておきたい。

©HiLens/イメージマート

 さて、下り線のピークは12月29日(金)と30日(土)の2日間、いずれも午前中から夕方にかけて生じる見込みである。とりわけ大規模な渋滞が見込まれるのが東名高速の秦野中井IC付近であり、両日とも朝から夕方まで30km以上の渋滞が続くことが予想されている。

 ただし今年度のお盆やGW期間と比べると、渋滞規模は全体としてやや控えめになりそうだ。たとえば渋滞多発スポットの1つである中央道相模湖IC付近では、両日とも最大で10km程度の渋滞が予想され、30分ほどで通過できる規模に収まるものと見られる。

 ピークとなる時間帯についても、お盆やGWのように「一日中30km規模の大渋滞が続く」といった予想がなされている地点は見られないので、時間帯をずらす対策も取りやすいだろう。下り線については両日とも、早朝あるいは日没後に渋滞スポットを抜けるよう計画しておくとスムーズだと思われる。

 一方、上り線のピークは1月2日(火)の昼過ぎから夜にかけて発生する見込みである。東名高速の綾瀬SIC付近、関越道の高坂SA付近、東北道の加須IC付近、中央道の小仏トンネル付近などで20km~30km以上の渋滞が予想されている。

 上り線のピークを避けるには午前中に渋滞スポットを抜けるようスケジュールを調整するか、日程をずらすことが有効だが、上り線の混雑は3日まで後を引き、同様の区間で昼ごろから夜にかけて20km程度の渋滞が予測されている。とはいえ3日の方は全体的に混雑時間帯が短く収束する傾向が見られるので、スケジュール調整はしやすくなると思われる。

 総じて、ピークを避けるには「下り線は日の出ていない時間帯」「上り線は午前中早め」に混雑区間を抜ける対策が有効である。