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想定外の渋滞には「先回りの備え」を

 ただしもちろん、事故渋滞などイレギュラーな事態によって生じる渋滞の場合、車がまったく進まなくなってしまうケースも考えられる。その場合には一度下道に降り、どこかの施設で休憩をしたり、観光や買い物をしたりするのもよいだろう。

 もちろん、渋滞にハマってからでは動きづらくなってしまうので、なるべく早い段階で渋滞情報をキャッチできるよう、ハイウェイラジオや道路上の情報板などで道路情報をこまめにチェックしておきたい。

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 同乗者がいるのなら、スマートフォンで「iHighway(アイハイウェイ)」のサイトやアプリから道路情報を確認するのも有効だ。日本道路交通情報センターが5分おきに道路情報を更新しているので、自身の知りたいタイミングで先の状況を確認できる。

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 そうした渋滞情報をふまえつつ、同乗者は「高速を降りるかどうか」「降りた後にどこを通り、どこに立ち寄るか」といった判断を積極的に担っていくとよいだろう。その際の「どの程度の渋滞なら降りるか」という基準についても、運転手と同乗者の間である程度意識を共有しておくとスムーズである。

 その他、車載品の面でも、出発前から渋滞を見込んだ準備をしておくことが大切だ。

 行楽シーズンにはPAやSAが混雑するため、凝固剤入りの携帯用トイレは用意しておきたい。また乗員の車酔い対策として、ビニール袋や酔い止め薬なども必携である。むしろ災害対策という意味でも、普段から非常用グッズ一式を車載しておくとよいかもしれない。

 さらに冬の道路では、バッテリー切れや燃料切れなど万が一の事態に備え、ブランケットやカイロ、厚着などの寒さ対策もしておくと安心だろう。

「後続車にブレーキを踏ませる運転」が渋滞の原因に

 道路が混雑するシーズンは、自らが渋滞の原因とならないような意識も大切である。渋滞の多くは事故や工事によって発生するのではなく、交通集中に起因する自然渋滞であり、一般に「ブレーキの連鎖」によって引き起こされるものとされる。

 NEXCO東日本の発表によれば、自然発生渋滞の59%が「上り坂・サグ部(下り勾配が上り勾配に切り替わるポイント)」で発生しているという。無意識の速度低下が後続車のブレーキを連鎖的に引き起こし、それが渋滞へとつながっていくわけである。

 とくに高速道路上では、勾配の変化に気づきにくく、「いつのまにか速度が落ちていた」というケースも少なくない。上り坂やサグ部などの渋滞多発地点には、勾配の変化について注意を促す標識などが設置されているので、意識的に速度をキープしていきたい。

 頻繁な車線変更や、近すぎる車間距離も、渋滞の原因になることがある。総じて「後ろの車に急ブレーキを踏ませるような運転」は渋滞につながりやすいので、車間距離を十分に取りつつ、むやみに車線変更をせず進んでいく意識が大切だ。