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「私はお父さんの子どもじゃないんだ」父・赤井英和とは14年間会えず…赤井沙希(36)が幼少期に抱いた“複雑な思い”――2023年読まれた記事

『強く、気高く、美しく 赤井沙希・自伝』より #1

2024/01/08

genre : エンタメ, 芸能

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 友だちが折り紙を渡してきて「サインもらってきて」と言われたときは、どうしよう、断ったらがっかりさせちゃうのかなと思って、家にあった『どついたるねん』という父のサイン本を真似て書いて渡しました。でも結局バレて、嘘つき呼ばわりされて。噓つき呼ばわりは、小学校に入ってもずっと続いていました。

 幼稚園が一緒の子がいたから、小学校でも知られてしまって。離婚しても名字が赤井のままだったので、余計にいまも一緒に住んでいると思われたんだと思います。子供に罪はないからということで、母が赤井のままにしたんですよね。

©文藝春秋

突然の父との再会

 小学校1、2年生のある日、母に「パパが京都に来るから遊びに行くよ」と言われたことがあります。わたし、ずっと髪が長くてサラサラだったんですけど、母の気分なのか、そのタイミングに限ってめっちゃ短かったんですよ。例えるなら元自衛官芸人のやす子ちゃんくらいのベリーショートでした。たまたまそのタイミングで父に会うことになって、わたしの中では父と初めて会う感覚だったので、「こんなに短い髪型で、恥ずかしいな」と思ったのを覚えています。

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 嵐山に住んでいたので、「嵐山モンキーパーク」というサル山へ行くことになり、みんなで車で向かいました。わたしと姉は後ろで、父と母が前に座ったので、父の後ろ姿を見て不思議な感じがしました。

 サル山に着いたら、とにかくサルが怖かった! 野生のニホンザルは走り回っているので、めっちゃ怖いんです。わたしがピーナッツを持っていたらウワーッと集まってきて、父どころじゃなかったです。「サル、怖っ!」と思って。ピーナッツを渡そうとすると、サルがぶんどるんですよ。早く次くれって。サルとの思い出の方が色濃く残っていますね。

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