11月12日にプロレスラーを引退した、タレントの赤井沙希さん(36)。彼女は、元プロボクサーで俳優の赤井英和さんを父に持つことで知られている。両親が幼い時に離婚し、父親の記憶がほとんどないまま育った赤井さんは、芸能界デビューがきっかけで、14年ぶりに父親と再会。その後、“赤井英和の娘”というレッテルに悩みながらも、芸能界とプロレス界で活躍してきた。
そんな彼女が、自身の半生を綴った著書『強く、気高く、美しく 赤井沙希・自伝』(イースト・プレス)を上梓した。ここでは同書より一部を抜粋し、赤井沙希さんがプロレスデビューを決意するまでのエピソードを紹介する。(全4回の3回目/4回目に続く)
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『ラジオ新日本プロレス』のアシスタントに起用される
2012年4月、『ラジオ新日本プロレス』のアシスタントに起用されました。プロレスはわからないけど格闘技に理解があるということで。清野茂樹アナウンサーがMCの番組です。
毎週、新日本の選手がゲストにいらっしゃるんですけど、プロレスのことがまったくわからなかったので、めっちゃ質問しました。「なんでロープに振られて帰ってくるんですか?」とか、「なんで避けられるのに避けないんですか?」とか。矢野通選手に「いつパイプ椅子をリング下に入れてるんですか?」とか、TAKAみちのく選手に「なんでそんな前髪してるんですか?」とか(笑)。なにが失礼で、なにが失礼じゃないかもわからなくて、いま思えばめちゃめちゃ失礼なことを聞きまくっていました。
プロレスの勉強のために大阪へ遠征
でも、いまわたしが聞かれたら、答えられます。ロープに振られて帰ってくるのは、その反動を使ってカウンターでなにか技を仕掛けられる場合もあるし、逆に帰ってこないと、ワイヤーなので肋骨が危ない場合もあるから。なんで避けないのかと言ったら、避けられる技は避けるし、まだ自分の体力が残っているのであれば、受けてナンボのお仕事だと思うので受ける。いまの子たちがこれで納得してくれるかわからないですけど。
プロレスの勉強のために、試合もたくさん観に行きました。大阪にも遠征しましたね。好きだった選手は、中邑真輔選手、真壁刀義選手、石井智宏選手。泥臭い感じの人が好きで、真壁選手なんて膝も悪いって聞くから、「なんでこんなにボロボロになっているのに、それでも立ち向かっていくんだろう?」と思ったり。