有刺鉄線、パイプ椅子…プロレスにあまりいい印象がなかった
帰り際、お店にDDTがレスリー・キーさんとコラボしたポスターが貼ってあるのを見つけて、わたし、レスリー・キーさんが大好きで、個展にも行っていたので、「レスリー・キーとコラボする団体なんて、めっちゃイケてるやん!」と思いました。プロレスって、わたしの中で大仁田厚さんのイメージだったんですよ。革ジャンを着て、ビショビショに濡れてて、血が出てて、謎に包帯を巻いている。
いま思えばテーピングだったと思うんですけど。あと有刺鉄線とか、パイプ椅子とか。正直、あんまりいい印象はなかったんです。なのに、「DDTはスマートでスタイリッシュなこともするんだなあ、お洒落やなあ」と思いました。
約1カ月悩み、プレイヤーになることを決意
わたしが好きになったプロレス界のアイデアに応えたい気持ちもあるけど、自分自身の運動神経も知っているし、選手になるのはちょっと……。プロレスって崖っぷちの芸能人が参戦するイメージもあったので、わたしはプロレスにすごくリスペクトがあるから、崖っぷちの人がやるお仕事だと思われるのが嫌でした。それに、わたしは爆売れしているわけでもなかったけど、レギュラー番組も週3本あって、崖っぷちではなかったですし。
でもわたしはプロレスの歴史を知っているわけでもないので、言葉でプロレスの魅力を伝えていくことはできないなあと。それはプロレス芸人さんとかが一生懸命やっているので、じゃあ、自分にできることってなんだろうと考えたら、プレイヤーになることなのかもしれないと思ったんです。あと、それまで死ぬ気でなにかひとつのことをやり遂げたことってないなと。バレー部だって辞めたし、スカウトされて芸能界に入ったけど、太ったりしてオーディションも中途半端だったし。
でも生半可な気持ちで芸能人にリングに上がってほしくないと思っていたので、じゃあめちゃめちゃ一生懸命練習して、頑張ればリングに上がってもいいのかなと思ったんです。1カ月くらい悩みましたが、社長に「やるなら一から徹底的にお勉強させてください」と言いました。特別扱いはしないでほしかったです。