ある日の午前2時頃、若林は解散を決意し、自転車で春日の自宅に向かった。そこは、これまでバラエティ番組で何かと紹介されてきた東京・阿佐ヶ谷の「むつみ荘」。
家賃3万9千円、6畳一間・風呂なしのボロアパートである。
ところが、鍵が掛かっていないドアを開けると、若林の目に驚くべき光景が飛び込んできた。
なんと、パンツ一丁で西武ライオンズの帽子を被った春日が、テレビ画面に向かって、ライオンズのメガホンを叩きながら応援していたのである。
所沢市出身の春日は熱狂的な西武ファンなのだが、見ていた試合が録画だったのは言うまでもない。
オードリーの将来について悩み、自分自身がどう頑張っていくべきか考えなきゃいけない時期なのに、真夜中にそんなバカな格好をして、全力で人の応援をしているなんて……。
結局、若林はマジメな話をする気が失せ、そっとドアを閉めて帰ったそうだ。
たった1日で終わった「春日のパンクキャラ」
ただ、春日は春日なりに、現状を打破しようとしたこともあるようだ。
当時、オードリーの二人は、事務所の先輩でタレントのはなわに芸についていろいろと相談していた。
あるとき、自分にキャラを付けようと考えた春日は、はなわの自宅に行き、「今後はパンクキャラで行きたいので、バリカンでモヒカンにしてください!」と頼んだという。
そして、頭は緑色のモヒカン、顔にはパンクっぽいメイクを施すことになったのだが、翌日、“パンクキャラ春日”として初めて臨んだ仕事はラジオ番組! せっかくのビジュアルを生かせなかった。
おまけに、収録終了後、春日ははなわに電話をし、
「モヒカンをやめようと思うんですけど……」
「どうしたの?」
「いや、自分のどこを探しても、パンクな部分が1つもなかったんです」
春日のパンクキャラはわずか1日で終わった。