熾烈な人気争いも
他にも、韓国のガールズグループ市場がすでに飽和状態だという点も、NiziUの韓国デビュー反応が思ったより不振な原因として挙げられる。これと関連して、大衆文化評論家のイ・テジュ氏は次のように説明する。
「第3世代のTWICEやRed Velvet、BLACKPINKが海外市場でもトップを占めたたうえで、第3.5~4世代であるaespa、ITZY、NMIX、NewJeans、LE SSERAFIM、IVEなど音楽性とスター性を備えたガールズグループが相次いでデビューし、熾烈な人気争いを繰り広げている。
そんな中、2020年に日本でデビューし、ある程度活動年数を重ねたNiziUは鮮度や話題性の面でやや落ちているとも言える。すでに定着している“第4世代”たちの間に割って入るのは難しいのではないか」
大衆音楽評論家のファン・ソノプ氏は、NiziUと韓国の第4世代ガールズグループとの違いを次のように説明する。
「NiziUの音楽は、誰にとっても耳馴染みがよく、親しみやすい。しかし、韓国の第4世代ガールズグループにはそれぞれ特有の“強い個性”や“オリジナリティ”をもっており、比較した時にNiziUはややインパクトに欠けるのだろう。現在の韓国市場のトレンドからはやや外れた印象がある。
ただ、NiziUと同じ事務所で、コンセプト的にも似ているTWICEが今や世界で人気を集めているグローバルグループに成長したように、NiziUも今後の韓国活動を通じて、ステップアップしていくのではないか」
「世界で活躍できるガールズグループ」としての挑戦
NiziUはデビュー当時から、「K-POPグループか? J-POPグループか?」というアイデンティティが議論になっていた。デビュー以来日本だけで活動していたことにより、K-POPファンの中では「果たしてK-POPグループといえるだろうか」という声もあった。
NiziUが韓国での人気獲得を目指すのであれば、今よりも韓国での活動を活発化させ、K-POPグループとしてのアイデンティティを確立する必要がある。それは、グローバルファンダムを構築する近道でもある。
そういう意味で、今回の韓国デビューは、「世界で活躍できるガールズグループ」と銘打って結成されたNiziUの世界への挑戦が、第2ラウンドに突入した合図でもあるのだ。
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