文春オンライン

74回目の紅白歌合戦

「新人らしくない露出だった」NiziUの韓国デビューで明らかになった“課題”とは?〈現地記者が解説〉

「新人らしくない露出だった」NiziUの韓国デビューで明らかになった“課題”とは?〈現地記者が解説〉

2023/12/27
note

熾烈な人気争いも

 他にも、韓国のガールズグループ市場がすでに飽和状態だという点も、NiziUの韓国デビュー反応が思ったより不振な原因として挙げられる。これと関連して、大衆文化評論家のイ・テジュ氏は次のように説明する。

「第3世代のTWICEやRed Velvet、BLACKPINKが海外市場でもトップを占めたたうえで、第3.5~4世代であるaespa、ITZY、NMIX、NewJeans、LE SSERAFIM、IVEなど音楽性とスター性を備えたガールズグループが相次いでデビューし、熾烈な人気争いを繰り広げている。

 そんな中、2020年に日本でデビューし、ある程度活動年数を重ねたNiziUは鮮度や話題性の面でやや落ちているとも言える。すでに定着している“第4世代”たちの間に割って入るのは難しいのではないか」

ADVERTISEMENT

今年で4度目の出場となる紅白歌合戦では、プレデビュー曲の「Make you happy」を披露予定(NiziU 『Make you happy』 M/V - JYP EntertainmentのYouTubeより)

 大衆音楽評論家のファン・ソノプ氏は、NiziUと韓国の第4世代ガールズグループとの違いを次のように説明する。

「NiziUの音楽は、誰にとっても耳馴染みがよく、親しみやすい。しかし、韓国の第4世代ガールズグループにはそれぞれ特有の“強い個性”や“オリジナリティ”をもっており、比較した時にNiziUはややインパクトに欠けるのだろう。現在の韓国市場のトレンドからはやや外れた印象がある。

 ただ、NiziUと同じ事務所で、コンセプト的にも似ているTWICEが今や世界で人気を集めているグローバルグループに成長したように、NiziUも今後の韓国活動を通じて、ステップアップしていくのではないか」

NiziUの事務所の先輩にあたるTWICE。今年は全世界25都市42回の公演という大規模なワールドツアーを行っている ©getty

「世界で活躍できるガールズグループ」としての挑戦

 NiziUはデビュー当時から、「K-POPグループか? J-POPグループか?」というアイデンティティが議論になっていた。デビュー以来日本だけで活動していたことにより、K-POPファンの中では「果たしてK-POPグループといえるだろうか」という声もあった。

 NiziUが韓国での人気獲得を目指すのであれば、今よりも韓国での活動を活発化させ、K-POPグループとしてのアイデンティティを確立する必要がある。それは、グローバルファンダムを構築する近道でもある。

 そういう意味で、今回の韓国デビューは、「世界で活躍できるガールズグループ」と銘打って結成されたNiziUの世界への挑戦が、第2ラウンドに突入した合図でもあるのだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

「新人らしくない露出だった」NiziUの韓国デビューで明らかになった“課題”とは?〈現地記者が解説〉

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー