韓国の地上波音楽番組では曲の人気順位を決める時、音源成績が反映される割合は50~60%と高く、音源成績が良くなければ1位を占めることができない構造となっている。
熱心なファンは、新曲がリリースされるとみんなで音源サイトに張り付いてストリーミング再生の数を重ねるが、ダウンロード数なども指標となる音源成績を上げることは、一部のファンだけの動きだけでは達成できない。つまり、音源成績は韓国で大衆的な人気を計る尺度になっている。
BTSのジョングクの出演がなかった
NiziUが1位を獲得した音楽番組「ショー・チャンピオン」(MBC-M)の集計方式は、音源成績の反映率が35%で、比較的低い。さらには当時、1位候補だったBTSのジョングクやSEVENTEENが「ショー・チャンピオン」に出演しなかったことが、NiziUの1位獲得に作用したという側面もあるだろう。
こうした、NiziUの韓国デビューの成績を見れば、「日本活動でコアなファン層は保有しているが、韓国のK-POPファンには強くアピールできなかった」という推論が可能となる。日本ではすでに広く親しまれるようになったグループだが、韓国では活動を始めたばかりなのだから、当然の結果でもある。
新人らしくない露出だった
ただ、そもそも新曲のリリースに合わせた「カムバ」と呼ばれるプロモーション期間が2週間と短かったことは、せっかくの韓国デビューが韓国内の認知度をアップさせることにさほどつながらなかったのは残念な部分だった。
NiziUの韓国での活動を見ると、音楽番組以外のテレビやラジオへの出演がなかった。YouTubeの出演もたったの2番組だけだった。このようなスケジュールは、とにかく認知度の向上を狙いたい新人らしくない露出の仕方だった。
最近、韓国の若年層が新曲を知る主なプラットフォームとなっているYouTubeやインスタグラム、TikTokといったショート動画でも、NiziUの曲が拡散されて自然と流れることはほとんどなかった。SNSやブログなどのインターネットを活用する「バイラル・マーケティング」の面でもやはりプロモーションがが足りなかったと考えられる。