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(2)綿、アクリル、ウール…どの素材の毛布を選ぶべきか

 毛布の素材によっても肌ざわりは異なりますし、値段も、それぞれのメリット・デメリットも、きっと違いますよね。

「まず、綿毛布は天然繊維で吸水・吸湿性が高く、年間通して使えますし、家庭用洗濯機で洗濯できるなどお手入れも簡単です」(前出・西川株式会社広報担当の森さん)

 わかります。しかし、実はわが家に綿毛布は1枚しかありません。高くて……。

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「アクリルやポリエステルといった合成繊維の毛布は、いろいろな機能性が謳われているものもあり、種類が多いですね。家庭での洗濯ができて虫食いの心配がほとんどなく、天然繊維のものよりも安価な点もメリットです。

 一方、天然繊維と比較すると吸湿性には乏しく静電気が起こりやすいデメリットがあります」(同前)

 わが家にも分厚いのから薄いのまで、安いのからちょっとお高いのまでいろいろあります。ていうか合成繊維の毛布は全部違う種類だったりします……。

「ウールの毛布は、天然素材ですし保温性・吸湿性が高く弾力性もある。冬はあたたかく、夏は涼しく使用できる素材です。しかし、お値段は高くなるものが多いです」(同前)

 なるほど、各々の予算感と、希望や優先順位に応じた商品を選べば良い、というわけですね。

西川では肌に直接かけることにこだわったインナーケット「ウォームフィール」の販売も。体から出る汗や湿気を吸って熱に変換する「吸湿発熱わた」を使用しており、丸洗いも可能(西川公式HPより)

へたり予防のために適切に布団を干す

 ところで、毛布や掛け布団というのは一体どれくらいの期間、使えるものなのでしょう。我が家ではよく、ペタッとへたった毛布を犬用にしていますが、イマイチその辺の賞味期限が分かっていなかったりするのですが。

「毛布は、概ね10年が買い替えの目安です。掛け布団の場合は買い替えではなくリフォームという方法もあります」(同前)

 掛け布団が古びてへたってしまうと、保温どころではなくなってしまうのだそう。そもそも、布団をちゃんとかぶっているのに寒い、といった場合、中身がへたってよれてしまっているとのこと。案外、盲点でした。

 へたり予防のためには、適切に「布団を干す」作業も大事です。

 特に羽毛布団の場合、どうも干してはいけないらしいとか、いや陰干しがいいだとか、取り扱い方に諸説ある印象ですが、基本的に天日に干して大丈夫とのこと。晴れた日の朝10時から午後3時までの間に両面をまんべんなく干し、湿気を飛ばします。側生地の紫外線劣化を防ぐためには、カバーをかけた状態で干せばいいそうです。

羽毛布団のへたり防止のためには、晴れた日にカバーをかけて干すことがおすすめ ©AFLO

「住環境もいろいろですし、布団の選び方、かけ方もいろいろあっていいものだと考えています。ぜひ、おひとりおひとりに合った布団のかけ方を見つけていただければ」(同前)

 そしてとにかく「あたたかさ」だけが必ずしも大事なわけではなく、それよりも肌触りを優先させたい、汗の吸収をこそ優先させたいなど、さまざまな好みがあるので、絶対的正解というものが、あるわけではない……。最適解はあるにしろ、極楽の条件も人それぞれといったところでしょうか。