最近よく眠れていない気がする。朝早く目が覚めてしまう。夜中に起きてしまう……。女史会世代にとって「睡眠」は大きな問題。睡眠研究の第一人者であり、睡眠制御に関わる物質「オレキシン」を発見しノーベル賞候補ともいわれている柳沢正史さんをゲストにお迎え。座談会に先立ち、女史会3人は、柳沢さんが開発した自宅でできる検査キットで3日間の睡眠計測を行いました(2ページ目に掲載)。『週刊文春WOMAN2025夏号』より一部を編集の上、紹介します。

(左より)柳沢正史先生と渡辺満里奈さん、松本孝美さん、野宮真貴さん

「よく眠れていない」と不安に感じていたけれど、結果は?

柳沢 みなさんの睡眠検査の結果のお話から。まず、野宮真貴さん。一言でいうとすごく良い睡眠です。

女史会 おお~!

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柳沢 3晩とも完璧。自信を持っていただいていい。

野宮 ほんとですか? 実はすごく不安だったんです。

柳沢 問診票では「よく眠れていない」と。

野宮 思ってました。

柳沢 でも、実際にはよく眠れているんです。

野宮 よかった!

 

柳沢 睡眠時の脳波グラフから脳年齢を推定できるのですが、実年齢よりはるかに若い。30~40代の睡眠です。

野宮 信じられない!!

「浅い睡眠」と誤解されがちな「レム睡眠」

渡辺 2ページ目のグラフはどう見ればいいんですか?

柳沢 上から、WKは覚醒している状態、REMはレム睡眠といって体は脱力しているけど脳が活発に活動している状態、N1~N3はノンレム睡眠のこと。これには段階があって、N1が浅くてうとうと、N2が中間ですやすや、N3が深くてぐっすり。そして、レムは浅い睡眠と誤解されがちですが、ノンレムとは違う種類の深い睡眠です。

松本 夢を見るのはレム睡眠のときだといいますね。

柳沢 脳が活発に動き眼球が素早く動いているので鮮明な夢を見るのです。みなさん「昨日は夢ばかり見ていてよく眠れなかった」とよくいいますが、それは誤解。夢を見たということは、レム睡眠がたくさんとれたということで、脳や体にはそれもすごく大事。

 脳年齢も、レムとノンレムN3がバランスよくとれていると「若い睡眠」といえる。ですから野宮さんの睡眠は、良い睡眠の例として教科書に載せたいぐらい(笑)。