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(1)いちばんあたたかい布団のかけ方は…

「また毛布と布団のかけ方以前に知っておいていただきたいのが、『33℃±1』という“快眠温度”があるということです」(前出・睡眠環境プランナーの三橋美穂さん)

 寒すぎる部屋では、布団の上や横から床方面へと、大切な熱がどんどん逃げていってしまいます。夏はともかく、冬における33度というのは存外に高い温度。だから寝具の中をこの指標の温度環境になるよう保温性を高めるため、冬は身体の上に毛布や布団をかけて覆う、というわけです。

1万人以上の眠りの悩みを解決してきた睡眠のスペシャリストである、睡眠環境プランナーの三橋美穂さん。全国での講演活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュースも手がける。著書に『眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法』(青志社)ほか多数

 そういった布団をかける意味、基本、前提、目的を理解しないまま、無闇やたらに毛布や布団をかけ、逆に暑くて寝苦しくなってしまっては本末転倒なのだとか。その上で、

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「保温性ということだけで言えば、身体の下に毛布を敷き、身体の上に布団、その上から毛布で蓋をするようにします。そして身体の周りにデッドエアと呼ばれる、あたたかく動かない空気の層を作るようにするのです。汗かきの方なら身体の上に、湿気を吸ってくれる毛布をかぶせてもいいでしょう」(同前)

 とのこと。あっさり解答が出ました。

睡眠環境プランナー・三橋美穂さんによると、下から順に「毛布→体→掛け布団→毛布」が最も保温性の高いかけ方なのだという ©AFLO

 けれども“絶対的正解”を求める上ではもう一押し粘りましょう。餅は餅屋、布団は布団の老舗の見解も知っておかねばなりません。

“布団の老舗”西川の見解は…

 そこで西川株式会社さんにお伺いすると、意外や意外、

「素材の肌触りなど好みもあるため、ご自身が落ち着く方で問題ありません。ただ、西川としては、天然繊維や、機能性・肌ざわりにこだわった合成繊維の毛布やブランケットなどは体に触れる部分に一番近い、掛け布団の下での使用をおすすめしています。なお、掛け布団の上での使用でも問題ありません」(西川株式会社広報担当の森さん)

 てっきりじかに布団をかぶるのを推奨されるものだと思い込んでいましたが、そうではありませんでした。快適な睡眠のためには、あたたかさだけでなく“肌ざわり”が大切というのは納得です。とはいえ、ただ毛布と言っても、世の中にはいろいろな毛布があります。どれを選べばいいものでしょう?