能登の方々へのエールを、東北から
箭内 「風とロック」は、これまでずっと被災地支援を続けてきたコンサートでもあるので、今回も能登半島地震で苦しんでいる方たちに、何かできることをしたいですよね。
さだ 3月31日になると、ひょっとして落ち着いてきているかも知れないし、被災地から招待してもいいよね。新幹線で来ると金沢や新潟からも大宮は近いから。
箭内 それ、いいですね。2011年の東日本大震災のときに、猪苗代湖ズの『I love you & I need you ふくしま』を、神戸の街の中で神戸のみなさんが歌って作ってくれたミュージックビデオがYouTubeにあがったときに、「この先真っ暗だと思っていたけれど、阪神・淡路大震災があってもこうやって復興していくんだとイメージができて、支えられた」と大きな反響がありました。
だから今回は、東日本大震災から立ち直った方たちに、能登の方々にエールを送っていただくことができたらいいですよね。
さだ それやろうよ。東北の被災地のみんなに『ふるさと』歌ってもらって、それを全部集めて、能登の人たちに送ろうよ。「立ち直れるよ」「頑張れ」じゃなく、ただいろんな街でいろんな人がいろんな「ふるさと」を歌う。それで作ろう。僕は長崎に行って歌えばいいよね。
箭内 お願いします。まずは、1人じゃないって思えることがすごく大事ですからね。
乃木坂46のファンにサンボマスターを知ってもらいたかった
さだ 孤独じゃないって思うことは、すごく大事だよね。追い詰められたときには特に1人ぼっちだと思っちゃうから、余計孤独に感じるの。特にご兄弟、ご家族を亡くされた方は本当におつらいと思うけど、少しでも僕らの「ふるさと」が心に届けばいいね。
ところで、今回のライブを対バン形式にしたのは、どういうイメージだったの?
箭内 僕が参加している「THE HUMAN BEATS」というバンドが、2012年にリリースした『Two Shot』という歌に、「僕と君の違うところを尊敬し合いたい、君と僕の同じところを大切にしていたい」という歌詞があります。
僕は、人と人が対立したり、溝が生まれてしまう時代に、自分と同じじゃない人とわかり合い、分かち合える世の中にしていくことは、僕らに課せられた大きな宿題だと思っているんです。だから今回も、「ふるさと」をテーマにした出演のオファーになっていつつも、まったく異なる2つのアーティストを対バン形式で組み合わせることで、たとえば乃木坂46のファンにサンボマスターを知ってもらいたかった、という思いがあります。