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「笑顔が美しい方で…」夫に先立たれ、娘2人を育てた小雪さん

「背が低くぽっちゃり体型の小雪さんは、笑顔が美しい方でした。若い時に今治に嫁いできて、この家でピアノ教室の先生をやっていました。地元の小学生が週2日くらい、学校帰りに習いに来ていましたね。小雪さんは地元のピアノの演奏会に出たり、ジャズのイベントに出たり、地元の少年少女合唱団の指揮や運営をしたりと、音楽関係者には知られた存在だったようです。

亡くなった冨田小雪さん(今治少年少女合唱団のインスタグラムより)

 夫はカメラ屋を営む優しい人で、娘2人にも恵まれました。夫の両親も地元の町内会長を務めるなど面倒見の良いおじいちゃんで、お世話になった地元の人はたくさんいたと思います」

 だがそんな幸福な一家を、ある日急に不幸が襲う。

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「20年ぐらい前、まだ40代で一家の大黒柱だったカメラ屋を営む夫が、心筋梗塞で病死してしまったのです。小雪さんは葬儀では気丈に振る舞っていましたが、近所はみんな『まだ若いのに可哀そうだね』と同情していました。残されたのは、育ち盛りの娘2人。生活は相当苦労したはずです」(同前)

事件現場 ©文藝春秋

 こうした母の愛情もあってか、一家の仲はよく見えたという。近隣住民らによると、娘姉妹は上京先で出会った男性と結婚した後、それぞれ2児を出産。10年前に今治に帰郷し、それぞれの夫と子供4人を含む計9人で、3世帯で暮らした時期もあったという。

 2018年、「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)に出演した際には「大の仲良し姉妹」として紹介された。次女は「父が早くに亡くなったので母と一緒に住むって決めていました」と語る母想いの一面を見せていた。一方、亡くなった小雪さんは娘たちとの同居に「嬉しさ半分、大変さ半分です」とにっこりと笑い、「もう少ししたら孫がもう1人増えるので。仕事頑張って孫にお小遣いをあげなきゃと思っています」と笑顔で抱負を語っていた。

 ただそんな一家に不穏な影が見え始めたのは、この1~2年のことだという。別の近隣住民の女性が話す。