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――平地が少なく、ヘリコプターが降りられるところも少なそうですね。

竹内 効率の問題もあるでしょうね。5万8000人が点在して住んでおられると、どこに降りるのが一番効率がいいかもわかりにくい。そもそも、どこに避難しているのかを把握するのも難しい。

『分県地図 石川県』(昭文社)より

推計震度分布図から推測した被害規模は「阪神・淡路大震災かそれ以上」

――地震発生当初に火事が起きていたところは輪島ですよね。

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竹内 はい。ビルが倒壊したのも、輪島ですね。ここまでは、なんとか金沢からでも行けたんですね。だから輪島のことはすぐにわかった。でも奥能登の珠洲の映像は、早くから流れていたのは市役所があったところくらいじゃないですかね。ここは土煙が上がって何軒か潰れていましたが、全体が壊れた状況ではないですから、なんとか持ち堪えているのかなって印象になっちゃうんですよね。

――地震発生から2日くらいの映像だけだと、一見、深刻さを感じられなかったとも思います。

竹内 そのときだけの映像だと感じようがないですよね。

――でも推計震度分布図などを見てみると、事態の予想がつく?

竹内 あくまで単なる地図編集者の感想ですが、地震発生後の30分後くらいにこの図を見たとき能登半島の広範囲が震度6以上に見舞われていたので、ライフラインや道路が寸断されて、とりわけ奥能登は相当やられてしまっただろうと思いました。

奥能登の珠洲では、建物の倒壊など多くの被害があった ©文藝春秋

――救助もかなり困難だろうと。

竹内 私、北海道出身なので、胆振東部地震のときの空撮が思い出されました。あのときのように丘陵地帯が崩れて、海岸の段丘面も崩れているだろうと。能登空港も当分無理で、津波がきていて港も使えない。救出手段としてはヘリくらいしかないだろうと。これらを想像し、暗澹たる気持ちになりました。

 熊本の1回目の地震(マグニチュード6.5)より40~50倍も大きな規模のマグニチュード7.6を記録しているのにすぐに助けに行くにはあまりにも状況が悪い。そういう意味で、阪神・淡路大震災かそれ以上の規模感、困難さを伴う災害になると感じました。