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お金を使う時は、出所は気にしていない

 さらなる焦点は、裏金の使い道だ。私的には使っていないのか。筆者が質すと、萩生田氏は真っ向から否定した。

「こういう話をすると人のせいにしているように聞こえてしまうのは嫌なんですけれど、(2019年に)清和研の事務局長が代わってからガバナンスが変わったらしく、事務所とのキャッチボールができなくなり、どうしていいか分からなくなった、と。その時期に私は閣僚だったので、ウチの事務所は心配して保全をかけたんです」

――保全というのは?

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「お金を使わなかったということです。それ以前の還付金は、派閥の皆さんとの会合費、時にはメディアの人たちや、有識者との会食などのほか、外遊時にも使っていた。私たちが会食する時は、店で財布を開いて払うことはまずなくて、後ほど請求書を送ってもらって処理している。だから私自身は、お金の出所は気にもしていませんでした。事務所がいろいろ考えながら、『これには使っていいのではないか』と判断していたんだと思います」

 萩生田氏を含む安倍派幹部は、東京地検特捜部による捜査では立件されなかった。だが、いま自民党内から上がっているのは、「離党などの政治責任を取るべきだ」との声である。

安倍派への家宅捜索 ©共同通信社

 この点に話が及ぶと萩生田氏は、言葉に力を込めた。

「私は責任を感じたからこそ、年末に党の政調会長を辞しました。そのことで一定の政治責任は果たしたつもりです。しかし、『これですべてチャラになった』なんて言うつもりはありません。党の中で一定程度謹慎しなければという思いはあります。ただ当事者としては言いづらいのですが、自民党は、失敗は失敗としてもう少し寛容に、『まずかったけど頑張れよ』と言ってくれる政党かと思ったら、党内からも『処分、処分』と言われて……。(中略)“生贄”を出さないと終わらないような雰囲気になっていて、ちょっと寂しいなと思います」

“銀座三兄弟”との整合性は

 2021年には、コロナ禍による緊急事態宣言下で銀座のクラブに通った3人の自民党議員が、離党勧告の末、離党に追い込まれている。この処分との整合性を問うと、こう答えた。

「あの時は公明党議員が辞職したんだよね。それでバランスを取って、離党になったんだと思います」

武田氏 ©文藝春秋

 3氏の座談会では、企業・団体献金の必要性や派閥解消の弊害についても議論。武田氏は二階派が解散を表明する直前の二階俊博会長との知られざるやり取りを明かした。また、「ポスト岸田」との呼び声も高い加藤氏は、自民党総裁選に向けて3人が連携していく可能性についても言及している。

 座談会「『派閥とカネ』本音で語る」は、「文藝春秋 電子版」で2月5日に先行公開、月刊誌「文藝春秋」3月号(2月9日発売)に掲載される。

文藝春秋

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「派閥とカネ」本音で語る