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 パーティー券を売った一部をキックバックしてもらって不記載にして金を貯めていたのだからこれは裏金だ。その裏金を何に使っていたのか、どんな効果があったのか、党として説明することからが第一歩なのに「裏金と言うな」からスタートするなんて。

 それだけではない。岸田首相は議論をする場の国会で意味不明なことを言い続けている。政治資金規正法改正に関して問われると「真摯に議論する」「各党と議論していく」と繰り返すばかり。いや、そこ、国会ですよ。岸田首相は国会に気づいていないフリをしている。

岸田文雄 ©JMPA

いかにも手慣れた慣習

 さて裏金問題は安倍派が目立ったが、先週は安倍派の元事務総長・下村博文氏が会見した。不記載額は476万円だったが、初めて「キックバック」を知ったのは2022年4月だという。最近ではないか。本当だろうか。ではここで毎日新聞のスクープを見てほしい。

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『安倍派、還流を「戻し」と伝え現金手渡し 議員側も裏金認識か』(2023年12月16日)

 安倍派ではキックバック、還流を「戻し」という言葉を使っていたという。本当ならいかにも手慣れた長年の慣習であることがわかる。となると安倍派のベテラン下村氏も“戻し”を知っていた可能性は高い。しかし“キックバック”は知らなかったという。まるでご飯論法である。

※ご飯論法とは法政大学の上西充子教授のTwitterから広まった言葉。「朝ごはん食べましたか」と聞かれて、パンを食べたけれども米(ご飯)は食べなかったので「食べてきませんでした」とごまかして答える話法のこと。

 池上彰「WEB 悪魔の辞典」では次のように書かれている。