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「全キャン連」を復活させた男性が“キャンディーズ再結成”を望まなかったシンプルな理由「僕はむしろ絶対にイヤでしたよ」〈紅白で話題〉

「全キャン連」を復活させた男性が“キャンディーズ再結成”を望まなかったシンプルな理由「僕はむしろ絶対にイヤでしたよ」〈紅白で話題〉

2024/02/11

genre : ライフ, 社会

 キャンディーズ解散後、「全キャン連」も自動的に活動を停止した。ファンはやがて社会人となり、熱き時代はそれぞれの心のなかに点在する美しいメモリーとなるはずだった。

 しかし、意外な展開が待っていた。解散から2年後の1980年、スー(田中好子)が芸能界復帰会見を開く。さらにラン(伊藤蘭)も、同年11月公開の映画『ヒポクラテスたち』に出演、同じく復帰を果たしたのである。

「ハート泥棒」を歌うラン=伊藤蘭さん ©中山傑仁

「映画『ヒポクラテスたち』の舞台挨拶が日比谷であると知り、電車に乗って現地に行きましたが、何とも言えないモヤモヤとした気持ちはよく覚えています。蘭さんが復帰してくれたことは嬉しいはずなのに、昔とまったく同じ気持ちにはなれていない。復帰しないでほしかったということではありません。自分のすべてをキャンディーズに投げ出した高校の2年間、あまりにも激しく燃焼して、その思い出と復帰時点のギャップを埋められなかったのかもしれません」(石黒氏)

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 その後、大手出版社の雑誌編集部で仕事をするようになった石黒氏は、編集者としての才能を開花させ、キャンディーズとは無関係の仕事に没頭するようになる。かつてライブの現場で思いを共有した仲間たちともごく一部を除き、疎遠になった。だが、燃える「全キャン連スピリット」が消えることはなかった。

「母に会ったことを父に話したら『伊藤蘭に似ていただろう……』と」

 1989年、伊藤蘭は俳優・水谷豊と結婚。そのニュースを石黒氏はこう受け止めた。

「ああ、これで自分も結婚できると。頭ではありえないこととわかっていても、心であきらめがついたというか……」

 

 1991年に結婚した石黒氏はその2年後、実母との再会を果たす。物心つく前に両親が離婚した石黒氏には実母の記憶がなく、写真すら見たことがなかった。32歳のとき、あるいきさつから実母の居場所を探し出した。母に会った石黒氏は大きな衝撃を受けた。

「母に会ってきたことを父に話したら『伊藤蘭に似ていただろう……』と初めて言われました。たしかによく似ていたんです。家に写真が残されていたわけではなく、僕はそれまで母の顔を知らなかった。なぜ自分が蘭さんにハマっていたのか、そのとき、理由が氷解したんです」

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