前田敦子さんが「子どもが眠った後に考えること」
前田 「これを繰り返さないといけないのかな。ちょっとそれは疲れるな」とか思いますよね。特に、子どもが眠ってしまって自分が眠れないときは、ずっと考えていますね。
三島 思考するシャーマンですから。おっしゃるとおり、過去を振り返ることはないかもしれないけど、今のことを考えている時点で、今は過去ですからね。だから結局は過去を考えているんだと思うんです。今をどう生きるかというのは、全部過去に繋がっていますよね。ずっと考えているから過去を振り返ってない気がしているだけですよ。
前田 そうかそうか。私がよく考えているというのは、つまり整理整頓癖なのかもしれません。なんか腑に落ちないことがあったら、知らんぷりできるタイプではないんですよ。自分の中でちゃんと答えを見つけていきたいタイプなんです。
だから人とあまりたくさんコミュニケーションを取るのが得意じゃないのかもしれません。そうすると整理しないといけないことがいっぱい増えてしまいますから。
三島 AKB48時代は尋常ではない数の人と接していましたね。
前田 若いときはそうやって生きてきました。大人になってからは、すごく狭くていいから深くかかわるのが一番いいなと思うようになりました。
事務所から独立したのは29歳のときで、自分の仕事のやり方についていろいろな人と話して決めていこうとすると、迷いが出てしまう。何を軸にして信じるかというのは、人に聞くことではないなと思ったんです。
三島 では、これが嫌だなと思ったら、整理されているということですか。
前田 そうです。なんかモヤモヤしたまま、まあいいやで終わることができないんですよ。
三島 大事ですね。私は何人かの集団の中を目をつぶって床に8の字を描くように歩いてもらうというワークショップをやっていまして、すると、他人から離れているときのほうが体温が上昇する人と、他人の中にいるほうが上昇する人がいるんですよ。
私は1人になったときのほうが体温が上がると思っていたんですけど、実際にこれをやってみたら、人の中で話しているほうが上がっていたんです。