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専門店でタイヤ交換、直後にタイヤ脱落
実際の事例として、業者に車を預けていたにもかかわらず、引き取った直後に脱輪事故に見舞われたケースも聞かれた。
「近所のガソリンスタンドに車検をお願いしていて、車を引き取った帰り道でした。スタンドを出て500mくらい走ったところで、突然ゴトゴトと足元から車体が揺れる感覚がして、みるみる音が大きくなっていくので、焦って路肩に止めようとしたんですよ。でもその瞬間、ガタンという大きな音とともに、車体の左後ろがガクッと沈んだんです。
慌てて降りると、外れたタイヤが10mほど先でガードレールに引っかかっていました。すぐにスタンドに連絡して来てもらい、その場でタイヤを付け直し、そのままスタンドを通じて修理工場に入庫しました。
おそらくホイールナットの締めつけが甘かったのだろうという説明でしたが、作業担当者が誰だったのかはわかりませんでした」(40代会社員A氏)
このように、「プロに任せたのにタイヤが外れた」というケースはそう珍しいものではない。これは大型車のデータだが、国土交通省の発表によれば、令和4年度に起きた脱輪事故140件のうち、ユーザー自身が取りつけたケースは52%に過ぎない。反対に、タイヤ専門店や自動車整備工場などいわゆる「プロ」に任せているケースは43%にも上る。
タイヤ交換から「2ヶ月後」に外れるケースも
タイヤ脱落事故の発生時期に関しては、先の国土交通省の資料を見ると「11月から2月」が大半を占めており、スタッドレスタイヤへの履きかえ時の不適切な取りつけ作業が主な原因として考えられる。
実際のところ、どのような作業ミスがタイヤ脱落を引き起こすのか。都内でタイヤショップを経営するオーナーは次のように語る。