なにかとお金のかかるカーライフのなかでも、ことさら「痛い出費」になりやすいのがタイヤ代だ。とくに原材料が高騰し、SUVをはじめ大型のタイヤを装着している車が増えた現在では、「タイヤ代で10万円オーバー」というケースも珍しくなくなっている。

 数年に一度のこととはいえ、もう少し安くならないものか……ネットで安く済ませる方法を探すと、名の知れないメーカーの激安タイヤが目に留まる。中国や韓国、台湾などのメーカーによる、いわゆる「アジアンタイヤ」と呼ばれる製品だ。もちろん、聞いたことのないメーカーの格安製品に、「安かろう悪かろう」というイメージを抱かないわけではない。しかし、昨今のスマートフォンやテレビ市場における中韓メーカーの存在感を見ていると、タイヤにも一定の期待はできそうではないか。

 実際のところ、格安のアジアンタイヤは「買い」なのか。タイヤショップのオーナーやスタッフなど、日々の業務でタイヤに触れているプロたちに話を聞いた。

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国産の「半額以下」がゴロゴロ

 まず、国産タイヤとアジアンタイヤにはどの程度価格の差があるのだろう。大手タイヤ量販店のサイトを見ていると、国産タイヤの半額以下の製品がゴロゴロしている一方で、あまり価格帯の変わらないものもある。

©AFLO

「一口にアジアンタイヤと言っても、やはりグレードによって値段は変わります。国産とアジアンを同等グレードで比べた場合、メーカーやサイズにもよりますが、ざっくり1.5倍くらいの差になるイメージですかね」(大手タイヤ量販店スタッフA氏)

 参考までに、交換時期が迫った筆者の車でタイヤ代を調べてみる(サイズは19インチ)。純正相当の国産タイヤに交換する場合、ディーラーでは取り付け費込みで約17万円、タイヤ量販店では約11万円。これに対し、量販店で同等クラスのアジアンタイヤに交換する場合は約7.5万円だった。

 なお、仕事用の軽自動車(14インチ)で同じように調べると、ディーラーでは約2.5万円、タイヤ量販店では国産タイヤが約2万円、アジアンが約1.8万円と、かなり差は小さくなった。タイヤのサイズが大きくなるほど価格差は顕著になり、とくに17インチ以上では数万円の差がつくケースが増えてくる印象である。

激安アジアン、ちゃんと走れるの?

 これだけ値段が違うと「どこかに欠陥があるのでは」と疑ってしまうが、実用上問題はないのだろうか。大手のタイヤ量販店や個人経営のタイヤショップに聞き込みをしたところ、返ってくる答えはおおむね以下のようなものだった。