3期になると『神経梅毒』に進むこともあり、身体にしびれが起きたり目がかすんだり、最悪の場合、意識を喪失することもある。期が早ければ早いほど菌が少ないので治療がしやすく、遅くなればなるほど治療に難渋します」(同前)
歌舞伎町を中心に梅毒が蔓延しているワケ
昨年、設立された悪質ホストによる売掛商法を防止・撲滅するための団体「一般社団法人青少年を守る父母の連絡協議会」の担当者は、歌舞伎町を中心に梅毒が蔓延している実情をこう明かす。
「我々の元に相談にやってくる女性たちのほとんどが性病を患っています。性病と分かりながらも、ホストに貢ぐために働き続けている女性もいる。担当ホストに強制的に働かされているわけではないにしろ、多額の売り掛けの返済や、ホストに気に入られるための資金集めに風俗店で働いたり、大久保公園周辺で売春相手を探す女性も多くいます」
前出の三鴨教授も同様の傾向を感じている。
「梅毒の感染者が市中で増えているのと同様に、性風俗でも増えていることは事実です。風俗店に従事している女性の検診もしていますが、私の肌感覚でも陽性になる例が以前より明らかに多くなっている」
梅毒の患者数が過去最多となる中、A子さんのもとにはB子から“替え玉”を依頼するLINEのメッセージが届いたのである。
A子さんが打ち明ける。
「最初の連絡は、自分が梅毒にかかったというLINEでした」
〈梅毒なんや…〉
〈人生で初めてなって鳥肌たったよね〉
〈クラミジアだけだと思ってたら梅毒もなっててビックリした〉
(いずれも、B子のLINEより)
「B子は、現在同棲しているホストの誕生日のためにシャンパンタワーをしたい、そのために、どうしてもまとまったお金が必要だと話していました。でも、性病だった場合、お店に出ることはできず稼げないので困っていると」(A子さん)
シャンパンタワーとは、シャンパングラスをピラミッド状に積み上げ、上からシャンパンを注ぐ儀式を指す。ホストクラブでは主に、ホストの誕生日イベントなどで行われる。
12月は、B子の担当ホストの誕生月のためホストクラブでイベントが開かれる。同棲相手のために総額1000万円ほどかかるシャンパンタワー代がB子には必要だったというのだ。