文春オンライン

「家は狭いほうが生活の質が高まる」一級建築士が教える「幸せになれる家づくり」の絶対原則

source : 提携メディア

note

仕事選びにあたり、多くの人は「完璧」を求めず、優先順位をつけて検討するのではないでしょうか。

家づくりでも、その感覚を持つことが大切です。完璧を求めずにどうやって幸せになれる家を建てるのか。

建築にあたり、三角形といえる要素が、「性能」「デザイン」「コスト」です。そのどれを優先し、どこをある程度譲るか。バランスを見ながら、最適解を探していくのが、いい家づくりの秘訣(ひけつ)です。

ADVERTISEMENT

あらゆる要望を満たす完璧な家という幻を追いかけるより、「自分にぴったりの、居心地のいい家」を建てる。それが本書の目標です。

幸せな家づくりのゴールデンルート

鉄則その2
「ほしい家」より、「ほしい暮らし」→どんな生活をしたいか、を考える

「どんな家をつくりたいですか?」。設計者からそう聞かれた際、多くの人は、「間取り」や「部屋数」を答えるでしょう。3LDKがいい、吹き抜けがほしい、子ども部屋は2つ、書斎は、お風呂は……。

確かに具体的な要件を出すのも必要ですが、いきなりそこからスタートすると、家が建ったあとに、使わない部屋や空間が出てきがち。生活に必要のない不幸な空間は、家を「実際にどのように使うか」が想定できていないことで生まれるものです。

まず考えるべきこと。それは「どんなふうに暮らしていきたいか」です。

趣味を楽しみたい、家族団らんを大切にしたい、家事を快適に行いたい、庭をのんびり眺めたい、ペットとのびのび過ごしたい……。自分がその家でどんな暮らしをしたいのかを事前にイメージしておき、それに合わせて間取りや部屋数、デザイン、外観といった要素を組み立てていくのが、幸せな家づくりのゴールデンルートです。

ほしい暮らしこそ、家づくりの設計図なのです。

設計者と納得いくまで相談したい重要な要素

鉄則その3
間取りで家の全てが決まる→後で変えづらいからこそ慎重に

幸せに暮らせる家をつくるのに重要なのが、「間取り」です。

間取りの決定は、部屋数や配置といった表面だけの話ではありません。間取りは家の構造とイコールであり、柱の数や壁の位置が家のあらゆる性能に影響を及ぼします。

関連記事