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たとえば、凹凸のある間取りほど熱が逃げやすくなり、空調コストがかさみがちですし、吹き抜けや窓を大きくとれば、構造的には弱くなります。デザイン優先で、合理的な位置に梁や壁を設けることができなければ、断熱性や耐震性にマイナスの影響が出ます。

そして間取りは、建築後にもっとも変えづらい要素です。気に入らないから、不便だからと、簡単につくり変えることはできません。

おしゃれな家や広い家をつくりたい気持ちはわかりますが、デザイン性や空間の確保を優先するあまり、性能や快適性、経済性が落ちるのは避けたいところ。

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設計者と納得いくまで相談し、希望する間取りのメリットとデメリットを天秤にかけたうえで慎重に決めましょう。

広さ最小限で暮らしの質を上げる

鉄則その4
できるだけ小さく、シンプルに作る→「広さ=コスト」と心得る

「広い家がほしい」。それはなぜでしょう。昔からの夢だった? 広いほうが、暮らしやすそうだから? そうして「なんとなく」いいと思っているけれど、広い家を建てる具体的な理由がない。そんな人が多いと感じます。

私が提案したいのは、むしろ逆。「小さな家」を建てるほうが、豊かに暮らせると考えています。

広さは、コスト。大きい家を建てる分だけお金がかかります。部屋が広いほど室温を快適に保つのにエネルギーがいり、掃除も大変です。

小さな家なら建設費用が抑えられ、その予算を断熱性や耐震性といった「家の性能」にまわすことでより快適に、安心して毎日を過ごせます。家族全員が目の届く範囲で暮らし、掃除もラク。敷地にできた余白で庭が大きくとれますから、のんびり緑を眺めたり、家庭菜園をしたりするのもいいでしょう。

家の広さを、むしろ最小限にすることで、暮らしの質を上げる。それが、幸せになる家づくりの原則です。

心の底に眠る思いを解消してくれる家を

鉄則その5
自分なりの、判断基準を持つ→選択疲れから抜け出そう

家づくりは、迷いの連続です。