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それに対して宮崎さんの姉が「おかしくない!」と絶叫。冨田被告は「お前、頭おかしいよ」と泣き叫ぶ姉に暴言を吐いた。すかさず裁判長が「発言しないでください!」と強い調子で2人の発言を制止した。
判決では、一審判決で証拠として提出された訪問看護師の証言、冨田被告が事件の後にLINEのアカウントを一度削除した後に復活させ、被害者である英美さん以外の友達を再度登録していたことなどをもとに控訴棄却の理由を裁判官が述べ、懲役9年の第一審判決を支持した。
傍聴席を見渡して絶叫「冤罪でーす!」
法廷には終始宮崎さんの姉の泣き声と荒い息が響き、冨田被告は腕を組み、時折不服そうに首をかしげていた。
そして開廷から約30分後、閉廷が告げられ、冨田被告が退廷を促されると、立ち上がった冨田被告は、傍聴席を見渡して、こう叫んだのだった。
「みなさん、これは冤罪でーす! 裁判所は不都合なことを見ていない!」
宮崎さんの姉は、昨年12月に行われた冨田被告の控訴審第1回公判に合わせて、次のように綴った意見陳述書を用意していた。
〈妹の命を奪った加害者を重く裁き、責任逃れをさせないでほしい。妹の命を奪った加害者を刑務所から出して欲しくないです。人の命を軽く見ないで欲しい。正直なところ、加害者に対する地方裁判所の判決の内容は甘すぎると私は思いました〉