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娘に末期がんを伝えた時の反応は…

ーー娘さんは、おいくつですか。

叶井 13歳。11月で14歳。

ーー娘さんは、がんを伝えられた瞬間こそショックを受けたものの、意外と落ち込まずに受け止めてくれたそうですね。

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叶井 そうそう。胃の手術で入院するタイミングで話をして。俺ががんってのは娘も分かってたけど、末期だってのは知らなかったからさ。「父ちゃん、死んじゃうからさ。お前はお前で生きろ」って。そうしたら泣きそうになってたけど「父ちゃん、死ぬの怖くないし、悲しくないから大丈夫」って言ったら、「だったら、よかった!」って自分の部屋にピューンッて行っちゃったよ。

 

ーーそれぐらいの反応のほうが。

叶井 そう、よかったよ。あんまり「今日は大丈夫?」とか「体調悪いの?」とか聞かれても困るんで。ほっとかれるぐらいでいいんだよ、

 土日とかさ、倉田さんが講演とか出張で家にいないときがあるわけよ。で、「今日、ママいないんだけど、なんか食べたいものある?」って聞くと「あれとこれ買ってきて」って命令するから。「いやいや、父ちゃんは末期がんなんだから、あんた買ってきて」って言ったら、「ごめん、これから電話かかってくるから行けない」って。ステージ4の俺に買いに行かせるなよ。

ーー性格は、叶井さん譲り?

叶井 そうかもね。俺に似てるよ。

 ずっと小学校からバドミントンやってて、中学でも部活でバドミントンやってて、結構強いんだよ。土日はバドミントンでいないし、友達もたくさんいるから、毎日学校から帰ってきたら着替えてどこか遊びに行っちゃうし。大体、6時か7時に帰ってくるよ。

 

ーーとりあえず、心配はないと。

叶井 もう中2だしな。ただ、毎日風呂から出て、ビショビショのままでウロウロするのはやめてくれとは言ってる。風呂上がりにそのままバタバタバタッと俺の前を通っていくわけよ。それだけは、ちょっとやめてほしいけどね。

ーーさすがに、娘さんの話になるとめちゃくちゃ楽しそうに話しますね。今日、一番生き生きとしてました。

叶井 ああ、そう? ほんとに?

写真=末永裕樹/文藝春秋