自然食品、とくに「植物」を摂る──脳が7・5歳若返る食事術
脳の健康にはさまざまな種類の食品が必要だ。
食事は脳の健康を保つだけでなく、認知能力の衰えや気分障害を減らす効果につながると示す研究結果を見ても、大半が本書で説明してきたプランを勧めている。
とくに重視されるのが、次のルールだ。
栄養素をたっぷり含んだ自然食品、とくに植物性食品中心の食事をすること。
もう少し詳しい内容が知りたいなら、「MINDダイエット」をおすすめする。
これはラッシュ大学メディカルセンターのマーサ・モリス博士とそのチームが開発したプログラムで、食事と認知症の分野では最も説得力のある証拠にもとづいている。
MINDダイエットは地中海式ダイエットとDASHダイエットを組み合わせたものだ。DASHダイエットとは果物と野菜、全粒の穀物、低脂肪乳製品をたっぷり摂る食事法で、高血圧の予防と制御に役立つとしてアメリカ国立心肺血液研究所から推奨されている。
MINDダイエットでは、脳の健康を増進する次の10種の食品群の摂取を勧める。
・緑色の葉物野菜──少なくとも1日450グラム
・その他の繊維質の野菜──少なくとも1日75グラム
・ベリー類──少なくとも週150グラム
・ナッツ類──少なくとも1日30グラム
・豆類──少なくとも週225グラム
・全粒の穀物──少なくとも1日225グラム
・シーフード──少なくとも週1回
・鶏肉──少なくとも週2回
・オリーブオイル──最も多く使うオイル(オイルを使うとき)
・ワイン──1日グラス1杯分(それ以上もそれ以下もダメ)
MINDダイエットと年齢による認知機能の状態を関連づけて調べた研究では、この食事法をしっかり守った人は、まったく守らなかった人と比べて認知機能がおよそ7・5歳若かったという。
また、5年間の追跡調査の結果、MINDダイエットを守っていた人たちは、アルツハイマー病を発症する確率が53%少なかったこともわかっている。