文春オンライン
若年性認知症の兆候が見られる50代前半女性を救った“脳が7.5歳若返る食事術”

若年性認知症の兆候が見られる50代前半女性を救った“脳が7.5歳若返る食事術”

『回復人』より#2

note

1日3食+おやつ1回

 ステファニーの食事を見直すと、食べる量が足りておらず、栄養不良の可能性が高かった。

 ほとんど食欲が湧かないので、たいていはニンジンやセロリのような野菜を刻んで入れたチキンスープと、オーブンかフライパンで焼いたチキンと付け合わせのサラダ、ときどきベイクドポテト、それからリンゴかバナナ、ごくたまにグラノーラ・バー、そして卵といった食事ですませていた。

 食べ物の量や種類が足りないと、体が生き生きと活動するために必要な栄養素を摂取できない。また、栄養不良は体にストレス反応を起こし、体は燃料が足りないためエネルギーをセーブしようとする。

ADVERTISEMENT

 ステファニーには栄養摂取法の大幅な見直しが必要だったが、体の自然な反応を無視して、お腹が空いていないのに無理やり食べるようなことはさせたくなかった。

 私のプランでは、まず「1日3食プラスおやつを1回」食べてもらうことにした。食事は(少なくとも初めのうちは)少なめでかまわないが、食べるものの大部分はMINDダイエットの食品リストから選んでもらった。

 ステファニーは疲れ果てて心に余裕がなかったため、レシピはできるかぎりシンプルにし、キッチンに立つ時間も少なくすむように工夫した。そのため、手に入りやすい食材を使った、手軽なメニューが多くなった。

 たとえば、朝食にはチンゲン菜とケールに目玉焼きを載せたものと、ブルーベリーかイチゴを1カップ【訳注/約240グラム】。また穀物を多めに摂るため、オートミールを数日分まとめてつくり置きし、それにベリー類やクルミ、ヒマワリのタネをトッピングして食べてもらうことにした。

 昼食のメニューはたいてい、たっぷりのサラダ。中身はホウレンソウやケール、クレソン、チャード、ルッコラ、レタスなどのいろんな葉物野菜と、魚か鶏肉のような動物性タンパク質と、緑豆、アスパラガス、ブロッコリー、セロリ、カリフラワー、ニンニク、トマトなどの繊維質の野菜だ。

 週に2、3回は、豆もプラスしてもらった。ステファニーのお気に入りは黒豆とヒヨコ豆。それにオリーブオイル・ベースのドレッシングをかける。

 夕食にはシーフードを摂る回数を増やすことを考え、エビのショウガ炒めや白身魚のフィレのロースト、アジア風サーモン・ステーキのミックスベジタブルまたはサラダ添えといったメニューを取り入れてもらった。

回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる

回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる

アリ・ウィッテン ,アレックス・リーフ ,加藤輝美

サンマーク出版

2024年2月29日 発売

若年性認知症の兆候が見られる50代前半女性を救った“脳が7.5歳若返る食事術”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー