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このような理由から、周りの親や教師たちの間では「あの家には関わらない方がいい」「文句を言わないほうがいい」といった共通認識があった。下手に刺激して巻き込まれることを避けるため、黙認され続けていたのだ。
ゲーム屋には、10代のはじめから30代になるまで通った。ある意味、青春時代をどっぷり過ごした場所と言ってもいい。
中にはそこに集まっているヤクザと仲良くなり、そのまま本職にスカウトされた仲間もいた。さまざまな人間が集まってくるためか、リクルートの現場にもなっていたのだ。
ゲーム屋の終焉
しかしそんなゲーム屋も、一昨年(2022年)、その歴史に幕を閉じることとなった。おそらく暴排条例などの影響もあるのだろう。その知らせを聞いたとき、「そりゃそうだろう」と思ったのと同時に、つい最近まで営業していたことに驚いた。
最後に顔を出したのは、店の最終営業日だった。閉店までの約1週間は毎日24時間ぶっ通しで営業をしており、常に人だかりができていた。
その日も店の前には車が何台も停まっており、中に入って挨拶をすることもできないほどだった。昔からのオヤジさんの知り合いが詰めかけていたのだろう。当然、強面の連中が詰めかけているわけで、周囲から見ても、この店が放つ異様な空気は際立っていた。
大物ヤクザの会合か何かのように見えなくもない。ちなみに店がこのような状態になっていても、地域の大人や警察が注意しに来ることは最後までなかった。