人気エリアの物件は“要注意”?
「都市部の駅チカ物件や、学生が多い地域にあるアパートやマンションは、空室リスクが低いので殿様商売になりがちです。とくに、親が持っていた不動産を相続して、そのまま大家業をしている場合、クセが強い人が多い傾向がありますね。
不動産業者の知人は、深夜0時に大家に呼び出され、3時間よくわからない内容で説教をされたあとに『一緒に飲もう!』と、朝まで酒に付き合わされたそうです」(前出・不動産仲介業を営む豊橋さん)
豊橋さんの会社では、トラブルを防ぐために大家のブラックリストを独自に作成し、リストにある物件は、紹介を控えるようにしているという。豊橋さん自身も多くの“ヤバい大家”と相対している。
特に「学生向けの物件では大家が入居者との距離感を詰めすぎる傾向がある」という。
昭和感覚でプライベートに干渉する大家も
「過去には、雨が降ってきたからと入居者の部屋に勝手に入り洗濯物を取り込んで問題になった大家もいました。ほかにも、『毎週土曜日に一緒に食事をするなら賃料を安くする』という条件を出す大家もいましたね。家賃を減らしてでも食事会を開きたい理由は、学生が社会に出て大成したときに『あのときはごちそうしてもらって助かりました!』と、お礼に来てほしいから。巣立っていった若者に感謝されるのがうれしいんでしょうね」
入居者の洗濯物を勝手に取り込んだり、お金に困っている学生に食事を提供したりして交流を図るのも、昭和ならば通用したかもしれない、と豊橋さん。
しかし、時代は令和。プライベートに干渉してくる大家との関係に悩む学生も少なくないという。
「たとえば、大学生協から紹介される物件は、仲介手数料がかからないというメリットに加えて『学校の紹介なら安心』と考える方も多いでしょう。しかし、一般的な不動産会社と比べて、大家の情報までは入りづらいケースもあるため注意してほしいですね」
今後、進学を機に転居の予定がある人は、ぜひ慎重に物件を選んでほしい。