昨年12月、過去30年以上にわたる組織的不正が発覚したダイハツ工業。エアバッグの衝突試験をタイマー作動でごまかすなど命に直結するような悪質な不正も行われていたことが明らかになった。不祥事を受け、ダイハツは自動車を組み立てる国内全工場の稼働を12月26日までに全面停止。今年2月以降は、一部車種の生産を徐々に再開しつつあるが、全面再開の目途は立っていない。
“ダイハツの天皇”が30分間にわたって告白
2月13日には新たな経営体制を発表。3月1日付で、新社長にはトヨタ自動車中南米本部長の井上雅宏氏、新副社長にはトヨタ自動車九州副社長の桑田正規氏、非常勤の取締役にトヨタ自動車カスタマーファースト推進本部副本部長の柳景子氏が就くこととなった。
そんな中、かつて“ダイハツの天皇”との異名をとった同社の白水宏典(しらみず・こうすけ)元会長が「週刊文春」の単独取材に応じ、ダイハツ社員への思いなどを30分間にわたって語った。
白水氏はトヨタの副社長を務めた後、2005年にダイハツ会長に就任。会長在任中に、軽自動車販売台数でライバルのスズキを抜き去り、ダイハツを業界1位に導いた。2011年に会長職を退いた後も、トヨタに完全子会社化される2016年まで『相談役技監』という立場で事実上トップに君臨し続けた。