良好な夫婦関係を維持するために
ポイント3 収納量を確保する
男女381人に行ったアンケート調査によると、「部屋が片付かないのでその気になれない」という回答が一定数ありました。また収納量が多い家に住んでいる夫婦のほうが、夫婦仲が良いということも、この調査で判明しています(筆者による独自調査)。
たかせシホ著『ごぶさた日記』でも、性欲が高まった著者が部屋干ししてある子供の下着を見てやる気を失うシーンがありますが、生活感がありすぎる片付かない部屋だと気持ちも盛り上がらないようです。
特に主寝室は、睡眠と性に必要なもの以外はなるべく置かないことがベスト。壁面収納やウォークインクローゼットを計画しすべて収容するようにします。
タンスや本棚等は、主寝室にあると雑然とするという以外にも、地震時、横転やモノの落下などで命を危険に晒します。主寝室の家具は、最低限必要なモノだけに絞りましょう。
ポイント4 睡眠の質を高める
睡眠不足は、男女問わず性欲の減退や性機能の低下を招くことが最新の研究結果でわかっています。また生活の質を高めるためにも睡眠は重要です。まずは事例15のようにパートナーの睡眠を邪魔する動線になっていないか検討してみましょう。ドアと枕の位置はなるべく離したほうがいいですね。
また外光の遮蔽も重要です。日の出時間は季節によって違いますが、最も日照時間が長い6月は、4時30分には明るくなります。一般的な起床時間よりも早く明るくなるので、ぐっすり寝たい場合は、ベッド近くに窓を設置しない、または遮光カーテンを利用します。
ポイント5 家事や育児を協力しやすくする
ここまで「セックスレスにならない間取り」について話してきましたが、そこだけ完璧でも、夫婦の信頼関係が破綻していては夜の営みどころではありません。
夫婦円満の秘訣は一般に「夫婦の会話を充実させる」ことだと言われていますが、共働きが増えた現在では、家事・育児を協力して行うことも大事です。
協力というのは、単に男性の家事負担率を高くするという話ではなく、相手に感謝や労いの言葉をかけることも含まれると思います。
そのため本書では、家事・子育てについて、単に効率化だけでなく、「ありがとうを言いやすい」「家事しながら会話できる」ような間取りを推奨しています。誰であれ、家族のために家事・育児をしているのですから、感謝や労いで承認欲求を満たされたいです。
新居に引っ越すのは、家事・育児について話す良いタイミングです。良好な夫婦関係を維持するためにも、この機会を利用してみてはいかがでしょうか。