「理想的な平屋ですが、夜のアレに気を使います」
夫婦で公務員の志村さんは、自由に犬を飼いたいという理由で4LDKの平屋を計画しています。LDKを中心にして、主寝室は玄関と水廻り近くに配置、子供室はリビングを通るように計画されているので、LDKから家族の出入りがすぐにわかります。
リビングの南西側には大きなウッドデッキがあり、子供や犬と遊べるようになっています。共に20代でまだ子供はいませんが、将来は2人子供が欲しいと考えています。
主寝室のプライバシーも完全に守られていますし浴室も近いので、営みの前後での入浴も気兼ねなくできそうです。
少なくとも「セックスレスになる間取り」には見えないですが、1点、夫婦の就寝に関して大きな問題がありました。
引き戸の開閉で睡眠を邪魔される
それは、主寝室の引き戸の位置です。
主寝室の入り口は玄関近くに計画されています。夫婦共に部屋着に着替える習慣があるため、帰宅後、手を洗ってからすぐに主寝室に入れることを考えての配置のようです。
ただこのドア位置の場合、左側のベッドを使う人が部屋を出入りする度に右側で就寝中の人を起こしてしまう可能性があります。志村さん夫妻はまだ20代なので就寝中にトイレに行くということは少ないかもしれませんが、夫婦で起床・就寝時間が違うので、お互い気を使いそうです。睡眠の質は、性欲も含め心身に影響しますし、場合によっては喧嘩の種になる可能性もあります。またキッチンと水廻りを結ぶ動線が若干、遠回りなのも気になります。
改善案では、主寝室の引き戸を北側に移動することで、部屋の出入りが就寝に与える影響を最小限にしました。トイレや水廻りへの動線も最短になっています。
また洗面化粧台の位置を寝室側に移動することで、キッチンから直接、廊下に出られるようにしました。
この動線があることによって、玄関からキッチンへの買い物搬入動線が最短になり、洗濯しながら料理するというふうに同時並行で家事をすることも楽になっています。