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 エージェントの方にオーディションを入れてくださいと伝えて、実際、ネットドラマのオーディションで「これはいけるでしょう」と話をしてくれてたんですが、そのタイミングで妊娠したんです。 妊娠でも目立たないのでギリギリまでやりたいと伝えたんですが、難しいとなって。なので今も自分の中で「よし、海外でまた続きをやりに行くぞ」と言う思いはあります。

芸能活動をするかは子供に選択させたい

ーーその時に、お腹の中にいたのが長男のナユタくんですね。一緒に芸能活動をしたいとのことですが、吉野さんは以前インタビューで、自分の子供は芸能人にしたくないと話していました。

吉野 そうなんですよね。こういう仕事のつらいところもよく知っていますし、子どもにはできればつらい経験をしてほしくないっていう思いもあって。でも、自分がやってきたからこそバランスがわかるというか。

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 勉強だけじゃなくて社会経験も必要。普通に幼稚園や保育園に通って、お友達であったりそこで養われるものも大切ですし、きょうのように母親がやっている仕事や取材をしているみなさんがやっている仕事を見て、そしてナユタも一緒に仕事する。それも教育の一環だと今は考えています。ナユタの自意識が目覚めた時に、こうした活動を今後続けるかどうか選んでほしいなと思っています。

©橋本篤/文藝春秋

 本当に仕事がプロフェッショナルに鍛えられてる子役は求められるものがすぐできて、あんまり手を煩わさないで進行ができると思うんですけど、あまりプロ過ぎてもナユタの良さが出ないと思うので、そういう意味では教え込みすぎず、うまいバランスを取っていきたいです。

今後も女優として、日本や海外で表現したい

ーー吉野さん自身も、プロの子役でなかったことがいろいろな方に評価されたところでした。

吉野 そうなんです。私、実は1回も演技レッスンって受けたことがないんですよ。ずっと独学でやってきた。メソッドも含めて自分で考えて演じる。もしレッスンを受けてしまっていたら、それこそ選ばれなかった作品もたくさんあったと思うんですよ。

「あかね空」っていう舞台をしたときに、演出の江守徹さんが、「吉野いいな、あれだよ演技は」って飲みの席でぽつっと言ってくれたっていうのを後から聞いて嬉しかったのを覚えています。

©橋本篤/文藝春秋

ーー今後のご自身の活動についてはどう考えていますか。 

吉野 やっぱり女優という思いがあります。演技が本当に好きなので。日本はもちろん、海外で違う言語を使っても表現したい。今は日本で過ごしていますが、また違う時がくれば日本とは違う場所へ引っ越すことも計画しています。

 海外に行けばナユタも日本とは違う経験ができると思うんです。今のここでの思い出もナユタに一生ついてくる大切な記憶なので、家族全員で楽しく、大切に過ごしていきます。

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