改札を抜けた高架下にはコンビニや土産物店があって、このあたりは実に県都のターミナルらしいところ。そして、高架下を抜け出して南側の駅前広場に出ると……いちばんに目に飛び込んできたのは路面電車の乗り場でした。
高知の市街地には、とさでん交通の路面電車が走っている。その総延長は25.3km。隣町の南国市やいの町などと結んでいる。路面電車といったら広島のイメージが強いが、路面電車の総延長ではとさでん交通が日本一なのだとか。
「やっぱりいました、さすが高知」8.3mの巨大な坂本龍馬が見下ろす駅前には何がある?
路面電車の乗り場をやり過ごして、実に広々とした駅前広場を歩くと、観光案内所やイベント広場、そしてやっぱりいました、さすが高知。坂本龍馬、武市半平太、中岡慎太郎という幕末の志士3人のでっかい像がありました。
この3人の像、でっかいなんてものではない。2011年に「志国高知 龍馬ふるさと博」の目玉として設置されたそうで、銅像かと思ったら発泡スチロール製だとか。
台座を含めれば高さは実に8.3m。実際の龍馬さんの5倍近い高さだ。武市さんや中岡さんもいるけれど、駅前にこれだけでっかい龍馬さんがいるあたり、やっぱり高知のイメージは坂本龍馬なのである。
ただ、そんなインパクト抜群の像が3体も立っているわりに、高知駅前はどことなく寂しい。訪れた日が、たまたま雨降りだったからというのも関係しているのだろうが、駅前に中心市街地が広がっている、とはお世辞にも言い難い。
駅前広場の傍らには高知警察署の立派な庁舎が建ち、その反対にはホームセンターのコーナン。さらにコーナンの裏にはケーズデンキと続く。
駅前に大きな商業施設があるのは別に珍しくないが、それがコーナンというのはなかなか珍しいのではないか。裏を返せば、それがまた、中心市街地とはちょっと違う雰囲気につながっている。
駅の周りを見渡してみても、違和感がある。県都のターミナルは、だいたい駅を取り囲むようにしてホテルが建ち並んでいるものだ。確かにホテルの看板はちらほらとあるのだが、高知の場合は駅前広場に隣接して、というよりは、少し離れた場所にあるようだ。
まっすぐ南に延びる目抜き通りを除いても、広々とよく整備された道筋とは裏腹に、活気溢れる市街地とはこれもまた違っている。