1ページ目から読む
2/4ページ目

トイレでの“性的暴行疑惑”は不起訴となったものの…

 俳優業が軌道に乗り、爆発的な人気を手にしたユチョンだったが、社会服務要員(※軍入隊の代わりに公共機関に勤めることで兵役を履行すること)として勤めていた2016年6月、ソウル・江南(カンナム)の遊興業店(※女性従業員が付き添う店のこと)の女性従業員など4人から性的暴行で告訴を受けることになり、キャリアが崩れる。

 結論から言えば、この4件の告訴は全て「証拠不十分」で不起訴となったが、軍人という身分で遊興業店に出入りしたという事実だけでも、韓流ドラマへの出演を通してつくりあげた「ピュアで善良なイメージ」に大きな傷を負わせた。

 しかも4人の告訴人が性的暴行を受けたと話した場所がすべて「トイレ」だったという点で、「韓流プリンス」としてのユチョンのイメージは回復できないほどに壊れた。

ADVERTISEMENT

 一方でこの頃、韓国の大手乳製品メーカー・南陽乳業の創業者の孫娘であるファン・ハナ氏が自分のSNSに「ユチョンと婚約した」と明かしたことも話題になっていた。そして2019年に衝撃的な事件が起きる。

 ユチョンとファン氏は2018年ごろに破局したと知られていたが、ファン氏が2019年4月に覚せい剤を使用した疑いで逮捕されると、警察の取り調べでユチョンの名前を口に出した。

「2015年以降、薬物をやめようとしたが、芸能人のA氏に勧められた。私が寝ている時にA氏に無理やり飲ませられた」

 ファン氏がそう供述したという報道が出ると、メディアと大衆は「A氏とは、元婚約者のユチョンに違いない」とほぼ断定的に伝え、“ユチョンの薬物使用疑惑”は韓国中に広がった。

薬物使用の疑惑について会見を開いた

 こうした疑惑についてユチョンは記者会見を開き、涙を流しながら潔白を主張した。彼は「活動を再開するために毎日努力している。そんな私がすべての努力を水の泡にするようなことをするわけがない。決して薬物を使ったことがない」と訴えた。

 記者会見の後、ユチョンは自ら警察に出頭して検査を受けた。ところが、ユチョンの脚の毛から薬物の陽性反応が出て、涙の記者会見が嘘だったことが明らかになった。

2019年、取り調べを受けるため京畿南部地方警察庁に出頭したユチョン ©時事通信社

 その後、麻薬類管理に関する法律違反の罪で起訴されると、ユチョンは一転して立場を変え、「嘘をついて申し訳ない。深く反省しながら生きていく」と頭を下げた。裁判では初犯という点と反省の姿勢が認められ、執行猶予を受けて釈放された。