Q オウム真理教の元幹部7人の死刑執行の順番・時期はどう決まるの?

 地下鉄サリン事件などで死刑が確定したオウム真理教の元幹部7人について、東京拘置所から別の拘置所への移送が始まりました。死刑執行の順番や時期は誰が、どのような基準で決めるのでしょう。(60代・男性・無職)

A まず法務省の事務方が死刑の順番を決めて法務大臣に申請。そして法務大臣が決断します。

 これまで死刑囚の死刑執行は、死刑が確定してから長期間に渡って執行されないケースが目立ちました。実は刑事訴訟法では、死刑の執行は、判決の確定後、原則として6か月以内に行うよう定められているのですが。

 その理由はいろいろです。死刑の執行には法務大臣のサインが必要です。「自分がサインすると人が死ぬ」と考えるとサインできないという法務大臣が何人もいたのです。

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 また、死刑囚が再審を請求すると、請求中は執行を見合わせてきました。しかし、執行を遅らせるために再審請求を繰り返しているだけと判断された人に関しては、執行されるようになりました。

 オウム真理教事件に関しては、関係者の裁判が続いている段階では、いつ死刑囚が証人として裁判所に出廷を命じられるかも知れませんでしたから、執行が見合わされてきました。今回、関係者全員の刑が確定したことで、死刑が執行されるのではないかとの観測が高まっています。

上川陽子法務大臣 ©文藝春秋

 実際に執行する場合は、まず法務省の事務方が死刑の順番を決めて法務大臣に申請。法務大臣が決断します。近いうちに、「死刑執行」のニュースが聞かれるかも知れません。

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