そこであなたは、20代の若者にこう言う。
「今、この年になって後悔していることが1つあって。それが、若いときにもっと挑戦しておけば良かったなぁ、ってこと。だから……」
はい、ここでストップ。
ドラマでも出てきそうなセリフだが、こと若者側から見た場合、このあとのセリフとして、あなたは2択を迫られている。
言葉づかいや表現が人それぞれになるのは当然だが、ここにいる20代の若者の立場から見ると、あなたは次の「A」と「B」のどちらかの方向へ進むことになる。
若者に「A」と「B」、どっちと一緒に働きたいかを聞くと…
まずは「A」から。
A:「だから……。だから、君には自分のような後悔はしてほしくない。今だからやれることはたくさんあるよ。だから、がんばれ!」
僕自身は、この「A」のセリフをカッコいいと思う。クールで、ちょっと悟っている感じ。
それはさておき。続いて「B」を。
B:「だから……。だから、もうしょうがないから、今から始めようと思って。さっき本屋さんに行って、入門書10冊くらい買ってきてさ、今ちょっと読み始めてるんだけど、これが結構面白くてさ……」
いかがだろう。僕的には「B」はちょっとダサい。なんというか、もっさい感じ。少なくとも僕はそう感じる。
が、どうやら今の若者は僕とは違った印象を持つらしい、ということがわかってきた。
これまで、この2択の話を、何人もの学生にぶつけてみた。聞き方は様々なので、きれいな統計にまとめることはできないのだが、結果として、多くの学生が「B」を支持する、ということがわかってきた。
「A」と「B」、どっちに親近感が沸くか、どっちと一緒に働きたいか、どっちがカッコいいと思うか。
色んな聞き方をしたが、約8割の学生が「B」を選んだ。
その場・その時間が自分中心か、相手中心かで心境は異なる
結果を冷静に解釈するとこうなる。
まず「A」は、どんなにカッコいいことを言っても、最終的なベクトルは若者へ向かう。若い君が、がんばれ。それが結論だ。